1993 Fiscal Year Annual Research Report
零状態,零入力応答分離計算による高速低遅延二次元デイジタルフィルタの実現
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04650282
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武部 幹 金沢大学, 工学部, 教授 (20019699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 豊司 金沢大学, 総合情報処理センター, 講師 (20173908)
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Keywords | 2次元ディジタルフィルタ / 画像処理 / マルチプロセッサ / シグナルプロセッサ / ブロック処理 / リング結合プロセッサ / 縦続形フィルタ |
Research Abstract |
昨年度は再帰形フィルタには、単一の状態方程式で表される構造のものを用い、マルチプロセッサによる高速、低遅延フィルタの実現法を研究した。しかし実際には、安定なフィルタ伝達関数の設計が容易で、かつ処理演算量が少ないことから、低次関数の積で表される伝達関数のフィルタが適当である場合が多い。そこで本年はこのタイプのフィルタについて研究した。 1.縦続形フィルタの半零状態・零入力応答分離計算による高速実現法。フィルタは基本区間μ段の縦続接続とする。画面を格子状に小領域(P*Q)に分割し、一方向リング結合マルチプロセッサシステムを用いて、1領域を1プロセッサで処理し、垂直方向に領域間並列処理し、昨年と同様垂直走査する。1プロセッサは1基本区間ずつ逐次処理する。一サンプル当りの演算量は2*2次5段では一般形関数でP=Q=1、分母分離形でP=Q=2の時少なかった。スループットを上げるため、1段1プロセッサで領域内並列処理も行うにはP、Qを大きく取らねばならない。フィルタ全体を単一の状態方程式で表して処理すると、演算量は約2倍に増える。縦続構成では、フィルタが多段となれば、それに比例して領域間並列度が上がり、フィルタの次数に関係なく必要なスループットを得る事が可能である。 2.そのシステムのシグナルプロセッサによる実現 テキサスインストルメント社のC-40のC言語により、1段2次を4段縦続接続したフィルタの一方向処理システムで、フィルタ1段あたり1プロセッサで領域間および領域内並列処理を行う場合(タイプ1)と、1領域1プロセッサで領域間並列処理のみを行う場合(タイプ2)のプログラムを作成した。その結果タイプ1はタイプ2の4倍のスループットが得られることが分かった。
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[Publications] 武部 幹: "ブロック処理縦続型二次元IIRディジタルフィルタのマルチプロセッサ実現" 平成5年度電気関係学会北陸支部連合大会講演論文集. 1. 93 (1993)
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[Publications] 武部 幹: "画像処理用縦続形二次元IIRディジタルフィルタの半零状態・零入力応答分離計算による高速実現法" 第16回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 1. 223-226 (1993)