1992 Fiscal Year Annual Research Report
分解可能な符号の多段階軟判定準最適復号法に関する研究
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04650287
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
嵩 忠雄 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (50029378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 融 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70190098)
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Keywords | ブロック符号 / 線形符号 / 分解可能符号 / トレリスダイアグラム / 軟判定復号法 / 準最適復号法 |
Research Abstract |
1.分解可能な符号についての多段の軟判定準最適復号法を提案した。これは、多レベル変調符号の多段階復号法や|u|u+v|構造をもつ符号に対する最近傍剰余類復号法を一般化した復号法である。Read-Muller符号(以下、RM符号)や一部のBCH符号等について、この復号法により、復号複雑度を大幅に減らせることを示した。この復号法では、多段階への分解の仕方に自由度がある。 2.一例として、符号長64の2次のRM符号について、2種類の分解法を考案し比較した。第1の方法では、トレリスダイアグラムの状態数が64と16の2つの符号に分解される。符号化しない場合に比べ、ブロック誤り率10^<-5>の場合に5.1dB(情報ビット当たりのS/N比)の利得があることが分かった。第2の方法では、トレリスダイアグラムの状態数が128と8の2つの符号に分解され、符号化しない場合に比べ5.6dBの利得が得られた。なお、分解しない場合、トレリスダイアグラムの状態数が1024、符号化しない場合に比べ6.1dBの利得が得られる。この他、(64,24)、(64,45)BCH符号やこれらの符号を成分符号とする8値PSKや16値QASK用変調符号等についても同様に性能評価を行なった。(64,24)BCH符号は、2次のRM符号の4個の剰余類の和となるので、上述の同符号の分解に基づき2種類の分解法を考えた。符号化しない場合に比べ、ブロック誤り率10^<-5>の場合にそれぞれ5.4dB,5.7dBの利得があることが示された。これらの結果から、提案した復号法では、復号複雑度とブロック誤り率のトレードオフについて、自由度がかなり大きく、それほど誤り率を犠性にすることなく復号複雑度を下げ得ることを実証した。 3.本復号法を評価するためにブロック誤り率について、上界式と下界式を導出した。この上界式は、和集合上界を改良し、符号の結合重み分布を利用して導出している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toyoo Takata,Yuji Yamashita,Toru Fujiwara,Tadao Kasami,Shu Lin: "On a Sub-optium Decoding of Decomposable Block Codes" Coded Modulation and Bandwidth-Efficient Transmission. 201-212 (1992)
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[Publications] Tadao Kasami,Toyoo Takata,Toru Fujiwara,Shu Lin: "On Eror Performance analysis of Closest Coset Decoding" 1993 IEEE Information Theory Workshop(1993.06発表予定). (1993)