1993 Fiscal Year Annual Research Report
電波を利用する放送・通信システムのための伝搬推定用エキスパートシステムの研究
Project/Area Number |
04650292
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Research Institution | KAGOSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 士郎 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80232445)
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Keywords | ゴースト障害 / フラッター障害 / 建造物障害 / ヘリコプター / 移動通信 / 市街地の電界分布 / 遅延スプレッド / エキスパートシステム |
Research Abstract |
放送及び無線通信のシステム設計と運用のために必要な、伝搬推定用エキスパートシステムの基礎をなす3つの伝搬推定法について研究を進め、以下の通りの成果を得た。 (1).建造物によるテレビ受信障害の推定法、電波がビルなどの建造物によつて反射されるために生ずるテレビのゴースト障害の推定法について検討を進めた。ビル壁面を複数の長方形反射板あるいは遮蔽板で代替し、これにアパーチヤフイールド法を適用して、反射あるいは遮蔽量を与える計算式を導出した。これにフレネル近似を応用して計算の簡便化を図り、ビルによる受信障害を推定するための具体的な計算プログラムを作成した。 (2).ヘリコプターによるテレビフラッター障害の推定法、今後、ますます多用されるであろうヘリコプターによるテレビ受信障害について、機体を複数の長方形反射板で、プロペラを細い円柱で近似して、ヘリコプターによる電波散乱強度の計算式を導出した。これをもとにヘリコプターによるテレビフラッター障害の推定のための計算プログラムを作成した。 (3).移動通信のための市街地における電界分布の推定法、街路上を自動車の移動、あるいは歩行しながら通信を行なうことを想定し、基地局からの電波の電界強度、遅延スプレッド、その他の伝搬関連緒量の推定法を導き、計算プログラムを作成した。計算を簡単化するために、市街地のビルを反射板あるいは遮蔽板で代替し、2回反射波までを考慮した。例えば、近く実用化される予定のPHP(パーソナル ハンデイ フオ ン)のシステム設計にもただちに利用可能である。
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