1992 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウェア設計過程支援のための協調アーキテクチャの研究
Project/Area Number |
04650307
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐伯 元司 東京工業大学, 工学部・電気電子工学科, 助教授 (80162254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 健伸 東京工業大学, 工学部・情報工学科, 講師 (20197875)
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Keywords | 仕様化・設計法 / CSCW / CASEツール / ソフトウェアプロセス |
Research Abstract |
ソフトウェア設計作業における作業者間の通信に注目し,協調作業としての設計作業を支援するツールを作成した.その成果は,以下の通りである. 1.協調作業履歴蓄積のモデルの構築(密に結合された協調作業の支援) ソフトウェア設計における人間の協調作業の特性を分析し,プロダクト,作業履歴とともに,各作業者の通信履歴を表現するためのモデルを実体関連モデルで形式化した.このモデルは,協調作業の履歴を記録し,作業者に提示するためのデータベースのデータモデルとして使用できる.これにより,結論が出ていなかったり,議論が不足したりしているプロダクトの部分を作業者に確認させることができる.実際に作業のビデオ記録に対して適用し,その有効性を検討した. 2.ソフトウェア設計を支援するツールの試作(疎に結合された協調作業の支援) 協調作業では,作業者間のコミュニケーションが重要である.作業フェーズによって通信量や形態が異なっているため,各フェーズに適した支援ツールを作成することが重要である.本研究では,設計フェーズに焦点を絞り,支援ツールを試作した.複数の作業者による設計では,作業者間の通信量はそれほど多くなく,むしろ各自が独自の設計法に用いて作業を進めて行くことが多い.このような状況では,作成されたプロダクトの構造が異なるため,これらを統合化する機能が必要である.また,種々の設計法を蓄積し,作業者が選択した設計法に従ってプロダクトを管理したり,作業をガイドしたりする機能が必要である.種々の設計法を蓄積するために,設計法をプロダクトとアクティビティに分けて実体関連モデルで表現する手法を開発した.この手法を用いることにより,異なる設計法で作られたプロダクト間の関係も表現することができる.以上の機能を満たす支援ツール(Method Baseと呼んでいる)をUnixワークステーション上に実現し,オブジェクト指向分析法と構造化分析法用のグラフィカルインターフェースを組み込み,そのツールの評価を行なった.
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[Publications] 郭 文音: "ソフトウェア仕様化/設計法のデータベース化について" 情報処理学会ソフトウェア工学研究会. 92-38. 39-46 (1992)
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[Publications] 井口 和久: "ソフトウェア仕様化/設計法のデータベースの試作について" 情報処理学会第45回全国大会. 5. 163-164 (1992)
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[Publications] Motoshi Saeki: "Supporting Cooperative Specification Process" Abstracts in 14th International Conference on Software Engineering. 66-70 (1992)
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[Publications] Kentaro Inui: "Text Revision:A Model and Its Implementation" Lecture Notes in Artificial Intelligence. 587. 215-230 (1992)
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[Publications] 篠原 正紀: "ソフトウェア仕様化/設計法のデータベースの試作" 情報処理学会ソフトウェア工学研究会. 93-13. 105-112 (1993)
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[Publications] Motoshi Saeki: "A Meta Model for Representing Software Specification & Design Methods" IFIP WG8.1 Working Conference on Information System Development Process. (1993)