1992 Fiscal Year Annual Research Report
機械的な摩擦を介さない非接触形の超音波モータに関する研究
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04650336
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
広瀬 精二 山形大学, 工学部, 助教授 (70007201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 尚 山形大学, 工学部, 教授 (30006978)
富川 義朗 山形大学, 工学部, 教授 (80007004)
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Keywords | 超音波モータ / 非接触 / 放射圧 / 圧電振動子 / 交差指電極 / 超小形モータ |
Research Abstract |
我々はこれまで、機械的な摩擦を介さない超音波モータを実現しようと研究を行ってきたが、その一構成として超音波の放射圧を利用すれば非接触形の超音波モータを実現できることを見い出した。この《超音波の放射圧を利用する非接触形の超音波モータ》について、(1)動作原理の解明、(2)動作特性の解析、(3)設計、(4)試作・実験、(5)小形化の検討、を行った。 当初計画の、(1)動作原理の解明、(2)動作特性の解析については、超音波の放射圧が超音波の伝搬方向に移動することが解明されたが、まだこれが回転スピードや回転力にどう結びつくかの解明には至っていない。設計、試作・実験は順調に研究が進み、直径10(mm)、厚さ1(mm)の小形超音波モータが実現でき、駆動電圧も約2V(実効値)と非常に低い電圧で動作可能となった。また、光ファイバ式微小変位計を回転数の測定用に改良し、回転数の立上がり特性から当初予定のトルクの測定も達成できた。また、マイクロコンピュータによる駆動電圧の制御により、非接触超音波モータのステップ動作、回転数のコントロールなどを可能にした。 これらの成果の一部は国際学会や国内の学会において発表を行った。 (新たに得られた知見) 相似形で小形化して行けば特性を落とすことなく小形化が可能であることが分かった。これを基に、5mmφの超音波モータを実現し、約4,000rpmの小形・非接触の超音波モータが完成した。このことから2mmφの超小形・非接触超音波モータの実現の可能性が高くなってきた。
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[Publications] 広瀬 精二: "圧電振動子のハイパワー特性の自動測定" 電子情報通信学会技術報告. US92-3. 17-22 (1992)
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[Publications] Y.Yamayoshi: "Ultrasonic motor not using mechanical friction force" International Journal of Applied Electromagnetics in Materials. 3. 179-182 (1992)
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[Publications] 神戸 信裕: "高パワーでの応用を目的とした圧電振動子の等価回路についてーインピーダンス形式の等価回路ー" 電子情報通信学会技術報告. US92-10. 25-30 (1992)
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[Publications] 山吉 康弘: "非接触型超音波モータのトルク測定" 平成4年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 377- (1992)
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[Publications] 山吉 康弘: "非接触・小型超音波モータの試作" 平成4年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 378- (1992)
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[Publications] 広瀬 精二: "圧電セラミック振動子の大振幅励振時における誘電体損失誘電体損失の増加と励振方法に関する一考察" 電子情報通信学会技術報告. US92-42. 15-20 (1992)
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[Publications] 山吉 康弘: "非接触・小型超音波モータの特性" 日本音響学会平成4年度秋季研究発表会講演論文集. II. 1035-1036 (1992)
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[Publications] 山吉 康弘: "非接触型超音波モータのトルク特性" 日本音響学会平成4年度秋季研究発表会講演論文集. II. 1101-1102 (1992)