マルチポートハイブリッド回路の構成法に関する研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04650346
• Research Institution: Himeji Institute of Tecnology
• Principal Investigator: 太田 勲 姫路工業大学, 工学部, 教授 (80047612)
• Keywords: マイクロ波回路 / マイクロ波受動回路素子 / 多開口回路 / 電力合成1分配回路 / ハイブリッド回路 / 比較回路

Research Abstract

1.ブランチライン形8ポートハイブリッド回路において、1/4波長線路と外部整合回路を用いて広帯域化する場合の正確な設計理論を確立した。また、新しい構成原理に基づく8ポート回路については、外部整合回路を用いた広帯域化は実現不可能であるが、分岐線路のインピーダンスの選定により帯域特性が大きく変化することを明らかにした。
2.32ポート回路の構成方法とその動作特性および広帯域化のための方策を明らかにした。1/4波長結合線路を利用することにより、16ポート回路と同程度の帯域幅(約15%の比帯域)にわたって平坦な分配特性を可能とした。ポート数の増大にもかかわらず、同程度の帯域幅を維持できることは興味深い結果である。
3.無損失を仮定したマルチポートハイブリッド回路の出力位相関係については、ポート数が8個を越える回路では関係式が極端に煩雑なため統一的記述には成功しなかったが、8ポート回路については一般的な関係式を導出した。また、2軸対称性を有する8ポート回路では、同相/逆相または90°位相差の出力位相関係を実現できることも示した。
4.8ポートハイブリッド回路の応用として、4個の発振器の電力合成運転法を提案し、その特性について詳しく論じた。この運転系は4個の発振器の電力合成が可能であるばかりでなく、簡単な回路操作によって合成出力を4方向へ切り替え運転できるという特長を有している。
5.本研究で開発した回路に、最近G.P.Ribletによって開発された回路も含めて各種マルチポートハイブリッド回路の特徴を比較検討した。

Research Products

• [Publications] 河合,正: "分岐線路形8開口ハイブリッド回路" 電子情報通信学会論文誌C-I. J77-C-I. 71-80 (1994)
• [Publications] 太田,勲: "A novel parallel running systemof four oscillators coupled through aneight-port hybrid" 1993 IEEE International Microwave Symposium Digest. 1. 317-320 (1993)
• [Publications] 太田,勲: "A power-combining system of four oscillators capable of four-way switching" 1993 Asia-Pacific Microwave Conference Proceedings. 1. 7-38-7-41 (1993)
• [Publications] 太田,勲: "4方向切り替え運転が可能な4発振器電力合成運転系" 電子情報通信学会技術研究報告(マイクロ波). 93. 63-70 (1993)
• [Publications] 太田,勲: "マルチポートハイブリッドとそれを用いた発振器の電力合成運転法" 平成5年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集. S43-S43 (1993)