1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650354
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土谷 武士 北海道大学, 工学部, 教授 (90001172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江上 正 神奈川大学, 工学部, 助教授 (40201363)
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Keywords | 予見制御 / 適応制御 / 一般化予測制御 / ロボットマニピュレータ / 移動ロボット |
Research Abstract |
制御系にとっての目標値信号や外乱信号の未来情報を利用することによって制御系の性能を向上させることが出来、このような機能をもつものを予見制御と呼んでいる。最適レギュレータ理論に基づき、エラーシステムと呼ばれる拡大系を用いた系統的な予見制御系構成法は我々によって開発され、その性質の解明やいくつかの応用などについては本研究期間に単行本として発刊された。ロボットにおいては上のような未来情報は得られる場合が極めて多い。ロボットマニピュレータであれば手先が追従すべき経路は予め与えられるし、移動ロボットにおいても前方の道路状況は予め知ることが可能である。従ってロボットにおける未来情報の利用、すなわ予見制御の利用は大いに意義のあることである。 一方でこの予見制御を実現するためにはロボットのパラメータを正しく知る事が必要であり、この値に基づて予見動作が決定されるものである点が実用上問題である。これまでの理論ではこれらに対する実用的な対策がなかったので、本研究はこれをポイントにおいている。すなわちパラメータの変動に伴なう適応機能をもった予見制御系の構成についての研究が行なわれている。本年度の成果は一般化予測制御(Generalized Predictive Control,GPC)と呼ばれるある程度の適応機能をもつ制御法と最適予見サーボ系との関係について検討を進め、両者の特長と問題点を明確とした。これにより最適予見サーボ系へ適応機能を付加するための基本的なアプローチにきっかけをつけることが出来た。 障害物回避においてもロボット前方の状況を的確に利用することは極めて有効であることからその問題も現在検討中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 江上正,漆畑真吾 土谷武士: "周波数依存ディジタル最適サーボ系とその応用" 計測自動制御学会論文集. 28. 209-212 (1992)
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[Publications] 項東輝,土谷武士: "予見動作を用いた走行移動体の振動・姿勢制御" 計測自動制御学会論文集. 28. 500-505 (1992)
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[Publications] 項東輝,土谷武士: "走行移動体の姿勢制御における制御方式について" 計測自動制御学会論文集. 29. (1993)
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[Publications] 江上正,土谷武士 愛田一雄 北森俊行: "予見サーボ系の設計と一般化予測制御(GPC)システムについて" 計測自動制御学会論文集. 28. 956-963 (1992)
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[Publications] 王硯玉,土谷武士: "P表現に基づくロボットマニピュレータ経路制御" システム制御情報学会論文誌. 5. 443-453 (1992)
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[Publications] 松下昭彦,土谷武士: "非干渉制御系の性質を用いた最適予見制御系の性質" 計測自動制御学会論文集. 29. 242-244 (1993)
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[Publications] 土谷武士,江上正: "ディジタル予見制御" 産業図書(株), 205 (1992)