1992 Fiscal Year Annual Research Report
学習理論を用いた電話ネットワーク運用の最適化に関する研究
Project/Area Number |
04650355
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 宏 東北大学, 工学部, 教授 (60005220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光男 東北大学, 工学部, 助教授 (80111251)
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Keywords | 電話ネットワーク / ルーチング / 学習制御 / 負荷均等化 / 迂回候補路 |
Research Abstract |
当年度では、研究代表者らが先に開発した大規模定常確率系の学習制御方式を非定常系に拡張し、それを電話ネットワークシステムに適用することにより、ネットワークの負荷均等化を目的とするルーチング方式を構築・提案した。ここに、ルーチングにおける経路の選択規準を、経路の負荷を表す量と考えられる、ある忘却係数によって重み付けされた呼損頻度にとった。また、学習オートマトンを用いた場合等における、経路の極端な長距離化の可能性を避けるために、各発生呼のとりうる経路すなわち迂回候補路は、目的局ごとに、適当なものを適当な数だけ設定することとした。 提案方式は、目的局ごとに発生呼のとりうる各経路の重み付き呼損頻度が漸近的に等しくなるという意味で、ネットワークの負荷均等化を実現することが理論的に示された。また、提案方式のもとでは、経路の長距離化を防ぐために、過度に距離の長い経路は迂回候補路から除外し、選択基準値が同じときは距離の短い方の経路に選択の優先権を付与することした。これらの特性を実際的に確かめるために、計算機シミュレーションを実施したところ、提案方式が損失呼数と平均経路長において学習オートマトンを用いた方式よりも優れているという結果を得た。 ただし、提案方式の負荷均等化特性は、学習オートマトンを用いた方式のそれと同様に、迂回候補路の設定に大きく依存することがわかったすなわち、ネットワーク全体の厳密な負荷均等化の観点からは、迂回候補路はできるだけ数多く設定しなければならない。しかし、そうすると必然的に経路の長距離化は避けられなくなるし、負荷均等化状態に到達するまでの時間も長くなる。従って、迂回候補路の設定については、負荷均等化と経路長等の観点から最適な設定について十分検討する必要のあることがわかった。
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Research Products
(1 results)