1992 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータトモグラフィを用いた反応性プラズマの時間、空間分解測定法
Project/Area Number |
04650369
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大江 一行 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30024269)
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Keywords | 低気圧グロー放電 / 放射光 / コンピュータトモグラフィ / 電子エネルギー分布 / 時間変動プラズマ |
Research Abstract |
反応性プラズマには13.56MHz等の高周波放電がよく用いられており、励起原子、イオン、電子などのプラズマを構成する粒子の時間的、空間的分布が、電子デバイスなどのプロセスに重要な役割をすることは知られている。しかし、高周波放電の内部構造は時間的に変動しているため、測定が簡単ではない。そこで、本研究ではプラズマからの放射光をコンピュータトモグラフィー(CT)技術を用いて空間的分布を求めた。まず、予備的実験としてHe陽光柱を用い、He陽光柱の時間的変動として電離波を外部から励振した。この波動は比較的周波数が低く(約10KHz)、プラズマの放射光の変動も伴うため、モデル実験としては最適である。内径5.5cm、長さ70cmの円筒ガラス管を用い陰極から14cmの所にグリッドを放置する。気圧0.48torrで放電電流170mAの陽光柱を作る。陽光柱からの放射光は立体角1.5゚の円筒スリットを通して分光器に導入し、スペクトルに分解する。分光光は光電子増倍管で検出する。半径方向の放射光の変化は陽光注の軸に垂平な断面でスリットを半径方向に移動させて検出する。この断面のxy方向で検出された放射光をA/D変換を行い平均操作を行ってS/N比を向上させる。xy断面内の分光光の分布をフィリップス正則化法を用いたCTにより再生する。またグリッドより波動を励振し、分光光の時間波形を検出する。波動の励振を周期的に繰り返すことによって、xy面で各時間の像再生が可能となる。また、xy面を管軸に沿って移動することによってxy面で像再生ができる。このモデル実験結果については米国学会誌に投稿した。これらの結果をもとに、今後、13.56MHzの高周波放電プラズマに応用し、各時間の空間的放射光について像再生を行う。また、レーザ光の光吸収についても実験を行い、空間的な像再生を行う予定である。
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Research Products
(1 results)