Research Abstract |
本研究は,q(〓0)個の実数パラメータlambda=[lambda_1,lambda_2,...,lambda_q]に依存して決まる動的システムS(lambda)の族Sに対して,その数学的記述と構造を考察し,制御理論へ応用することを目的としている.本年度は,まず,平成4年度の本研究において得られた,システムSが線形で状態空間Xが有限次元かつlambdaに関して多項式の場合の理論的成果を検証する計算機システムを,数式処理ソフトMAPLEを用いて作成した.特に,q=1の場合,多項式環R[lambda]が単項イデアル整域となることを利用して,単因子論を用いた計算機システムを構築した.本計算機システムでは,システムの可到達性と可観測性の判定を行うことができ,さらに,与えられたシステムを可観測かつ準可到達,可観測かつ本質的に非可到達,非可観測かつ準可到達および非可観測かつ本質的に非可到達の4つの部分システムに分解することができる.この計算機システムを基礎にして,極配置や非干渉化を達成する状態フィードバックを求めるシステムを開発することができる.次に,理論的成果としては,q=1の場合について,ブロック三角形非干渉制御問題が解けるための必要十分条件が,ある性質を満たす最大可到達性部分加群の存在を仮定することによって得られた.この結果をInternational Symposium on the Mathematical Theory of Networks and Systems(Regensburg,1993年8月)および第16回Dynamical System Theoryシンポジウム(神戸,1993年12月)において発表した.また,q〓2の場合について,与えられたシステムの伝達関数の分解に関する問題を考察し,ブロック非干渉制御問題が解けるための必要十分条件を求めた.この結果を,第37回システム制御情報学会研究発表講演会(京都,1993年5月)およびInternational Symposium on the Mathematical Theory of Networks and Systems(Regensburg,1993年8月)において発表した.
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