1993 Fiscal Year Annual Research Report
鋼材特性を考慮した鋼板構造の極限強度と変形能に関する研究
Project/Area Number |
04650404
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
奈良 敬 岐阜大学, 工学部, 助教授 (50116076)
|
Keywords | 極限強度 / 変形能 / 鋼 / 板構造 / 座屈 / ひずみ硬化 / 初期不整 / 解析 |
Research Abstract |
1.極限強度と変形能に関する解析プログラムの開発 ひずみ硬化を考慮した圧縮板の弾塑性有限変位解析法を拡張して、種々の鋼材特性と初期不整を考慮し、面内力を受ける鋼板構造物の弾塑性有限変位解析プログラムを開発した。 2.鋼板要素の極限強度と変形性能 (1)従来鋼を用いた圧縮板の極限強度と変形性能 開発した解析プログラムを用いて、軟鋼ならびに高張力鋼を使用した圧縮板の弾塑性有限変位解析を実施した。この結果、幅厚比パラメータの値により塑性後の鋼材特性が鋼板の極限強度と変形性能の改善に与える効果が著しく変化すること、および鋼材性能については一般的に降伏比が小さく一様伸びの大きいものが良い結果を与えることがわかった。 (2)種々の鋼材特性を有する鋼板の極限強度と変形性能 鋼種をパラメータとした鋼板要素のパラメトリック解析を実施し、鋼材特性の個々のパラメータが鋼板の極限強度と変形性能の改善に効果について定量的に評価した。その結果、降伏比や一様伸びの他に、ひずみ硬化開始ひずみが重要パラメータであることが判明した。これに基づいて理想的な鋼材の応力ひずみ関係を提示するための基礎資料を収集した。 3.補剛鋼板の極限強度と変形性能 補剛板の極限強度と変形性能に支配的影響を与えるパラメータである幅厚比パラメータと補剛材剛比を変化させ、これらのパラメータが変形性能に与える効果を定量的に調査した。その結果、幅厚比パラメータと補剛材剛比だけでは、変形性能の改善に限界があり、塑性後の鋼材特性の改善が構造用鋼材では不可欠であることが明らかとなった。その中で、ステンレス鋼が望ましい鋼材特性を有することが検証された。
|
-
[Publications] Satoshi NARA: "Ultimate Strength and Ductility of Compressive Plates of High Tensile-Strength Steel" Proc.of the 3rd PSSC. 89-96 (1992)
-
[Publications] Satoshi NARA: "Interaction Curve of Ultimate Strength of Steel Plates under In-Plane Combined Loading" Constructional Steel Design. 151-163 (1992)
-
[Publications] 奈良敬,梅村哲男,服部松利,森脇良一: "鋼材特性を考慮した圧縮補剛板の極限強度と変形性能" 構造工学論文集. 39A. 125-132 (1993)
-
[Publications] 奈良敬: "種々の鋼材特性を有する圧縮補剛板の弾塑性崩壊" 第43回応用力学連合講演会予稿集. 43. 121-124 (1994)
-
[Publications] Satoshi Nara and Hiroaki YAMAGUCHI: "Elasto-Plastic Finite Displacement Analysis of Steel Plates under In-Plane Combined Loading" Research Report of the Faculty of Engineering,Gifu University. 44. 25-45 (1994)