1992 Fiscal Year Annual Research Report
積分方程式を用いた大型柔構造の動的制御に関する研究
Project/Area Number |
04650405
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 直志 京都大学, 工学部, 助手 (90127118)
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Keywords | 積分方程式法 / 波動方程式 / 板 / 制御 / HUM / 厳密制御 / 柔構造 |
Research Abstract |
本研究では将来土木工学でも大型の柔構造を扱う可能性が有ることを見越し、形状や安定性を保つための制御に関する基礎的研究として、積分方程式法を用いた境界制御問題の解法を研究する。特に、Lionsらによって提案された厳密制御の解法が積分方程式法との組合せにおいて有効であると考えられるので、これをまず波動方程式で試した後、板の方程式に適用すること、および制約条件の有る制御問題を扱うために最適化手法による波動方程式の制御問題の解法を扱うことなどを目的とする。本年度は波動方程式の厳密制御の研究としては主として非軸対称問題の解法を取り扱った。この結果、初期条件の拘束が無くなり、多自由度問題となるため数値的不安定性を取り除く工夫が必要である事がわかった。その為、Tikhonovの正則化を用いることにより、自由度が大きい問題でも良好な解が得られることがわかった。また、厳密制御の研究は予定より早く進行し、当初来年度に予定していた板の厳密制御の研究を始めることが出来た。板の時間域積分方程式の核は積分正弦関数であるので、振動する特異性を有する超特異積分方程式を取り扱わなくてはならない。さらに解の安定性と形状関数の次数が複雑に関連している等、数値的に非常に難しい問題である。現在軸対称問題についてはこれらの問題を解決し、厳密制御の計算が可能となっている。特に、波動方程式とは異なり軸対称問題でもTikhonovの正則化の利用が望ましいことがわかった。今後この問題を非軸対称の場合に拡張する事が課題となる。なお、非線形計画法系統の制御問題の解法は十分に扱うことができなかった。これは来年度のテーマとしたい。
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Research Products
(1 results)