1993 Fiscal Year Annual Research Report
ケーブルに現われる動的非線形分岐応答とカオスの解析および実験
Project/Area Number |
04650409
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高橋 和雄 長崎大学, 工学部, 教授 (30039680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 浩 長崎大学, 工学部, 助教授 (20157324)
岡林 隆敏 長崎大学, 工学部, 助教授 (90039686)
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Keywords | 非線形振動 / 分岐振動 / 分数調波共振 / カオス / ケーブル / 調和バランス法 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
ケーブルの動特性の特異な挙動として、分岐型の応答が発生することである。面内加振のみであっても面外加振が連成する面内・面外連成応答が生ずることや励振力の分布が対称にもかかわらず、発現モードが対称から逆対称へ、逆対称から対称へ遷移することが知られている。また、斜張橋の主桁や主塔の面内振動によって、ケーブルに面外振動が生ずる。そこで、本研究はケーブルの非線形運動方程式を用いて、研究代表者らが開発した非線形分岐応答解析を用いて解析を行い、ケーブルの分岐応答およびカオス的挙動をサグ比および材料パラメーターのもとに明らかにする。 (1)ケーブルの変動軸力のもとに生ずる分岐に伴う振動現象については、斜張橋をモデルに国内外で複数の研究が行われるようになってきた。支点が固定された場合のモデルよりももっと現実に近い形のモデルも提案されているので、モデルの改善も検討した。支点が動きうるケーブルの動的安定性を明らかにして、その動的安定性を支点が動かない場合と比較した。 (2)ケーブルの分岐振動である1/2分数調波共振の近傍にカオス的解が存在することを確認した。これまでカオスの解析の実績がないので、カオスの数値計算に当たって、初期条件の設定、時間領域の取り方、カオスの現象の確認、周期からカオスへの移行形態、効率的な計算方法、結果の表示方法の検討を行った。これらの試行錯誤の結果、1/2分数調波共振の近傍のカオス的挙動および超分数調波共振の近傍のカオス的挙動ならびにカオスの発生に及ぼすケーブルの形状・材料特性を明らかにした。 (3)対称加振のもとに生ずるケーブルの逆対称振動を非線形分岐振動の立場から解析した。これにより、風による流体力の効果のみならず、非線形連成現象から逆対称振動が励振されることを明らかにした。この現象を実験によって確認するために、振動実験による現象の確認を継続中である。
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[Publications] K.Takahashi.: "Dynamic Stability of Cables Subjected to an Axial Force" Asia‐Pacific Vibration Conference 〓93. 1441-1445 (1993)
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[Publications] 高橋和雄: "支点が動きうる扁平ケーブルの動的安定性" 長崎大学工学部研究報告. 24. 77-83 (1993)