1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650422
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅原 秀哲 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70151933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 匠 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (60231172)
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Keywords | クリープ / 温度応力 / マスコンクリート / 若材令 / コンペンセーションプレーン法 |
Research Abstract |
若材令時のマスコンクリートのようにヤング係数が時間の経過にともなって増加し、かつ応力が圧縮から引張に転じ、さらに温度履歴の影響を受ける場合のクリープの予測は非常に難しく、また実際にクリープの影響を測定したデータもほとんどない。そこで、マスコンクリートの温度応力解析に適用できるクリープモデルの構築を目的として、若材令コンクリートの圧縮履歴後の引張クリープ試験を、供試体の圧縮応力履歴の大きさ、履歴期間、および温度を変えて行い、粘弾性レオロジーモデルによるクリープ構成式を構築した。さらに、温度応力の計測を行った鉄筋ボックスカルバートを対象として、クリープを考慮した温度解析を行い、実測値との比較検討を行った。本研究の成果を要約すると以下のようである。 1.若材令コンクリートの引張クリープ特性に与える圧縮応力履歴の大きさに関して、圧縮応力の大きさを0,15,25kgf/cm^2の3種類とし、温度20℃で材令1日に載荷し、材令2日で除荷後、材令3日で引張応力を作用させた試験を行い、圧縮応力履歴が大きくなるほど、引張クリープひずみが励起されることを明らかにした。 2.圧縮履歴期間の長さに関して、圧縮載荷期間を1、2、3日の3種類とし、温度20℃で圧縮応力15kgf/cm^2を載荷し、1日の除荷期間を経た後、引張応力を作用させた試験を行い、圧縮履歴期間が長いほど引張クリープひずみが減少することを明らかにした。 3.温度の影響に関して、供試体温度を20、30、40℃、圧縮載荷期間を1日とし、材令で2日で除荷後、材令3日で引張応力を作用させた試験を行い、温度が高くなるほど引張クリープひずみが励起されることを明らかにした。 4.若材令コンクリートの引張クリープ構成式として、Voigt要素2個とダッシュポット1個を直列結合した5要素モデルが試験結果と最も良く一致することを示した。 5.温度応力の計測を行った構造物を対象として、積算温度によって評価した弾性係数に、圧縮および引張の両方のクリープ構成式を組み込んだ有効弾性係数を用いて温度解析を行い、圧縮側、引張側ともに実測値と良く一致することを示し、本研究で構築したクリープモデルの妥当性を明らかにした。
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[Publications] 梅原秀哲: "マスコンクリートの温度応力へのクリープの影響に関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. 13-1. 845-850 (1991)
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[Publications] 野村幸広: "クリープを考慮したマスコンクリートの温度応力に関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. 15-1. 1121-1126 (1993)
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[Publications] Hidetaka UMEHARA: "Effect of Creep in Concrete at Early Ages to Thermal Stress" RILEM International Symposium. (発表予定). (1994)