1992 Fiscal Year Annual Research Report
海洋コンクリート構造物の疲労特性とその性能向上に関する研究
Project/Area Number |
04650423
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 正一 鳥取大学, 工学部, 助教授 (10032286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 公 鳥取大学, 工学部, 助手 (40135835)
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Keywords | 海洋コンクリート構造物 / 疲労 / 曲げ疲労 / せん断疲労 / 腐食疲労 / S-N線図 / コンクリート表面塗装 / CFRPロッド |
Research Abstract |
1.の腐食環境条件(気中、水中、海水中)の相違がコンクリート構造物の破壊様式や疲労寿命に及ぼす影響を明らかにする研究においては、鉄筋比、コンクリート強度、せん断スパン比(a/d)、せん断補強鉄筋の有無、繰返し荷重の大きさ(終局耐力の40-80%)等を要因に選んだ鉄筋コンクリート(RC)はりの疲労試験を実施した。その結果、曲げ疲労破壊においては、気中では主鉄筋の疲労破断で破壊するはりであっても水中や海水中ではコンクリート圧潰型の破壊になりやすく、気中と水中や海水中とではRCはりの破壊様式が異なることが明らかにされた。また、一般的な破壊としては、気中で曲げ破壊する場合であっても水中や海水中ではせん断破壊になりやすいこと、さらに、この場合のせん断破壊はスターラップの疲労破断を伴わないのが特徴で、海洋コンクリート構造物に生じやすいと考えられるこの種のせん断疲労破壊に対する耐力式を提案できる見通しがたった。また、この試験を通して、コンクリートや鉄筋素材の疲労特性とRC部材の疲労特性との関連性を検討した。その結果、主鉄筋の疲労破断で破壊するはりに対しては、コクリート中の鉄筋の疲労強度は裸鉄筋の疲労強度よりも大幅に増加するが、気体から水中へ、水中から海水中へと腐食環境がシビアーになるに伴って疲労寿命が短くなること、コンクリート圧潰型のはりに対しては、海水中と水中での疲労寿命には大差なく、海水中の疲労試験が水中で代用できることが明らかになった。次に、2.の水中における鉄筋コンクリートはりの耐疲労性向上に関する研究においては、コンクリート表面に樹脂塗装を施し水の侵入を遮断する手法を用いることによる耐疲労性向上の可能性を検討した。その結果、繰返し荷重下でひびわれ追従性の大きな樹脂を用いることによって、耐疲労性の向上が図れることを明らかにした。以上のように、本年度の計画は順調に消化している。
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