1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650438
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 昭一 京都大学, 工学部, 教授 (90025908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 直志 京都大学, 工学部, 助手 (90127118)
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Keywords | 初期応力 / 弾性縦波 / 履歴応力 / シングアラウンド周期計測 / 音弾性 / 圧電素子 |
Research Abstract |
この研究は,弾性超音波の伝播速度が応力に依存することを利用して,ボーリングコア内の超音波の伝播速度を計測して,逆に履歴応力を推定しようとするものである.この計測法には,高い精度が要求されるが,比較的簡便であり,またAE計測と同時に行える利点もあるので,これら両者を利用すれば,簡便で信頼性の高い初期応力推定が可能であると考えられる.ここでは,現有のシングアラウンド高精度超音波計測装置を用いて,ボーリングコア内の超音波(縦波,横波)の伝播速度を高精度で測定し,その結果に基づいて初期応力推定法を提案しようとするものである. 研究は現在継続中であるが,今までのところ以下の成果を得た. 1 高精度時間測定システムの整備:現有のシングアラウンド周期計測システムを改良して,波形を正確にモニターしながら行える高精度周期計測システムを整備した.この測定システムでは0.05ナノ秒程度の周期計測精度が得られるようになった. 2 測定システムの特性の把握:測定システムの特性を把握するために,アルミニウム合金について,縦波及び表面波の応力と伝播速度の関係を調べた.その結果は,応力1kgf/cm^2当りの超音波伝播速度の変化率は,それぞれ(-4.6--4.9)x10^<-6>)及び(-1.0--1.2)x10^<-5>)であった. 3 砂岩について一軸圧縮繰り返し漸増試験を行い,各繰り返し負荷及び除荷時の応力と応縮軸方向及びそれと垂直方向の縦波の伝播速度の関係を調べた.繰り返し応力と縦波の伝播速度との間には一意的な関係(非線形)が得られた.しかし,履歴応力と縦波の伝播速度との間には明瞭な関係が見いだせなかった.この点については,さらに詳細に研究中である.
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