1992 Fiscal Year Annual Research Report
繰返しせん断を受ける粘土の強度および変形に関する研究
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04650444
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
外崎 明 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (20139752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤石 勝 東海大学, 工学部, 教授 (60056207)
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Keywords | 繰返し荷重 / 三軸圧縮試験 / 圧密 / せん断強さ / 間隙水圧 / ダイレイタンシー / 粘土 / 火山灰質粘性土 |
Research Abstract |
繰返し応力を受ける粘土地盤の工学的問題を評価するためには、繰返し応力によって残留する過剰間隙水圧を十分に把握することが重要と考えている。平成4年度は手始めとして、繰返し応力を受けることによって累積される過剰間隙水圧による有効応力の低下を調べる。次にこの累積された過剰間隙水圧の消散による再圧密沈下や圧密終了後の強度増加を検討する。以上のように、粘性土地盤の沈下や安定に対する工学的問題として設計に必要な基本パラメータを求める目的で、沖積粘土および関東ロームについて以下の室内実験を実施した。 1.等方圧密条件下での静的繰返し非排水三軸試験 2.K_0圧密条件下での静的繰返し非排水三軸試験 3.等方圧密条件下での動的繰返し非排水三軸試験 4.K_0圧密条件下での動的繰返し非排水三軸試験 5.上記試験終了後残留水圧による圧密試験および非排水三軸圧縮試験 以上の実験より得られた主な知見は以下の通りである。 1)繰返し応力によって累積残留する過剰間隙水圧の大きさは載荷重レベルや動的・静的載荷条件に関係なく残留ひずみで規定できそうである。 2)残留水圧消散による再圧密沈下量(体積変化)は動的・静的の載荷形式に関係なく残留水圧の大きさによって決まる。また、体積変化と応力減少比(初期圧密応力ー残留水圧)/初期圧密応力)との関係より求められる再圧縮指数C_rは一定で、その大きさは、圧縮指数C_c>再圧縮指数C_r>膨張指数C_sであった。 3)再圧密による強度増加は残留水圧と等価な有効応力増分に比例して強度増加する。また非排水三軸圧縮試験より求められるせん断抵抗角は繰返し履歴の影響は受けない。 平成5年度では、以上の基礎実験結果を基に、さらに異方圧密および周波数の影響を検討すると共に(繰返し載荷→再圧密)を数回繰り返し行い、残留水圧の変化や再圧密沈下量の増減の検討を加えていく。
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