1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650452
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小葉竹 重機 群馬大学, 工学部, 助教授 (00027260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 義彦 群馬大学, 工学部, 助手 (70178995)
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Keywords | 河川環境 / 温熱環境 |
Research Abstract |
渡良瀬川、桐生川、桐生川ダムにおいて、6月に1回、7月に2回、8月に1回、10月に1回、11月に2回、12月に1回の観測を行った。観測は当科研費で講入した熱線風速計と従来より使用している同一機種を用いて、3高度での同時計測を行った。観測項目は風速、気温、湿度である。観測の結果、風速についてはほぼ対数則分布が成立し、とくに夏期においては大気が不安定な状態に対応する風速分布となっていることが確認された。気温については夏期には河川区間内では、市街地と比較して2〜3℃低温で、冬期には1〜2℃程度低温である。水蒸気量については夏期には河川を含む区間で顕著な増加となるが、冬期には水蒸気量そのものが夏期の1/3程度となり、河川横断方向の変化も夏期ほど顕著ではなく、ほぼ一定と考えてもよい。また、影響範囲については市街地の構造や地形等の変化で明確には言えないが、河川の片側方向で200〜300m程度と考えられる。以上の観測結果を踏まえて、気温場に関するシミュレーションを行った。基礎式は2次元に連続式、NS式、エネルギー式であり、これを平均量からの差で書き表して無次元化し、差分式によって解いた。渦動粘性係数には混合距離モデルを用いた。この計算によって河川横断方向に風が吹く場合の河川の影響を見ることができたが、河川が10℃低温の場合にでも河川区間をはずれると気温低下量は0.5℃以下で、観測結果ほどの気温低下量は得られない。これは横断2次元モデルのため、河川の影響が少ないためであり、今後3次元シミュレーションを行う。また、桐生川の場合にように河川と平行に山がある場合には、河川堤防と山の間の空間では特異な大気状態となっていることが推定された。おそらく山林からの下降流の影響によるものと考えられ、次年度にはさらに詳細な観測を行う計画である。
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Research Products
(1 results)