1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650469
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
水口 優 中央大学, 理工学部, 教授 (50011234)
|
Keywords | 二方向波 / 浅海 / 非線型 / KP方程式 / 実験 |
Research Abstract |
理論的な面では、弱非線形、弱二次元の仮定のもとで成立するKP方程式の解析解に工夫を加え、二方向から来る波のそれぞれの諸元を与えることにより、合成後の波の場を、非線形干渉分も含めて計算する方法を示した。その方法を用いて種々の条件のもとで、合成後の波高及び波峰高に及ぼす非線形効果について算定し、波峰高および波高の増大率の図を作成した。その結果、1)交差角が小さい場合を除き、非線形度を示すアーセル数が大きいほど非線形効果による波高、波峰高の増大が著しいこと、2)交差角の小さい場合(10度以下)は、非線形効果が逆に波高及び波峰高を減少させることなどがわかった。 ついで、多方向波浪発生装置を用いて、二方向波の実験を行い、上記の理論的な結果の検証を行った。多方向波浪発生装置は、その構造上、造波板両端部での撹乱の発生とその伝ぱん、および壁面での反射により、広い範囲において理想的な波の場を作り出すのが非常に難しい。そこで、浅海域の有限振幅波理論であるクノイド波の二次のオーダーでの造波方法を工夫して使用した。より実際の波に近い波を造波することにより、造波板近くでの有効領域を広げて実験を行ったわけである。実験結果は、交差角が20度の場合は、アーセル数が20以下においては理論と実験の一致は非常に良く、それよりアーセル数が大きくなると、実験における非線形な波峰高増大の方が顕著となっていくという期待された結果を得た。しかしながら、交差角が小さい場合の波峰高の減少は、実験では確認できなかった。その理由については今後の課題である。
|
Research Products
(1 results)