1993 Fiscal Year Annual Research Report
土木空間におけるスポーツ・レジャー活動の実態と複合利用に関する研究
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04650476
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小柳 武和 茨城大学, 工学部, 助教授 (50108205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹谷 康之 (株)地域開発研究所, 港湾部, 副主任研究員
山形 耕一 茨城大学, 工学部, 教授 (70002053)
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Keywords | 土木空間 / スポーツ・レジャー / 観光レクリエーション計画 / 複合利用 / 景観計画 / 海岸景観 / 熱気球 |
Research Abstract |
本研究は、海岸域や山麓域の土木施設あるいは自然空間におけるスポーツ・レクリェーション活動の実態を明らかにし、複合的な利用を想定した土木空間の計画指針を得ることを目的としている。今年度までに、以下の項目の研究を行い、その成果を得ている。 (1)釣り人と散歩者の行動特性からみた港湾空間構成:日立市域の港湾を対象として、観察調査とヒアリング調査により得られた行動特性と港湾施設の構造および景観的特性との関連性を分析し、港湾施設特有の景観タイプの抽出を行うとともに、港湾施設のレクリェーション利用を考慮した港湾施設の施設計画、景観計画における留意点を示した。 (2)海岸における野鳥の生息地形態とその景観体験:日立海岸を対象として、現地調査とヒヤリング調査により、野鳥の観察される場所の形態的特徴とその視点場並びに景観構成要素を分析し、野鳥を含む海岸景観の特質を抽出、分類するとともに、港湾施設や海岸保全施設等の土木施設が野鳥の生息空間やその視点場としても位置付けられることを示した。 (3)熱気球のフライトエリヤとその景観体験:国際的な熱気球の大会が開催される佐賀と鈴鹿を対象地域として、写真コンテストに応募された熱気球の写真に写された要素と構図の分析により、熱気球の景観体験タイプを抽出し、視点場のゾーニングに有効な視距離と構図手法に関する知見を得た。また、河川や田園等の土木空間が、熱気球のフライトエリヤとして重要であり、かつ熱気球の景観体験の中で重要な景観要素であることを示した。 (4)スキー場における景観体験とその空間構成:スキー場特有の景観体験を、全国のスキー場の紹介写真に写された景観要素の分析と、スキーヤーへのヒヤリング調査により抽出し、その景観体験がスキーヤーの心理や行動にどのような影響を及ぼすかを都市空間論的に考察することにより、景観的に望ましいスキー場の空間構成手法を示した。
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[Publications] 小柳 武和: "市民意識とレクリエーション利用からみた日立市域の海岸環境の評価" 日本都市計画学会学術研究論文集. 26. 397-402 (1991)
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[Publications] 坂本 泰敏: "熱気球におけるフライトエリアの分類・評価に関する基礎的研究" 土木学会第46回年次学術講演会講演概要集第4部. 46. 530-531 (1991)
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[Publications] 酒井 敦: "スキー活動における空間特性の抽出・分類・評価に関する基礎的研究" 土木学会第47回年次学術講演会講演概要集第4部. 47. 48-49 (1992)
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[Publications] 秋元 宏孔: "港湾施設における釣り人と散歩者の行動及び景観体験に関する研究" 海岸工学論文集. 40. 1136-1140 (1993)