1992 Fiscal Year Annual Research Report
信号制御の運転者へ与える影響構造の解明と制御手法に関する研究
Project/Area Number |
04650479
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大蔵 泉 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00013227)
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Keywords | 信号制御 / 現示切換え時 / クリアランスインターバル / 黄・全赤時間 / 歩行者 / 運転者 / 停止確率 |
Research Abstract |
交通制御が適切になされるためには、運転者・歩行者等の道路利用者の特性を適確に把握し、これを制御方策に反映する必要がある。本年度は、現象の観測を実施するとともに関連研究情報の収集・整理を行った。 1.黄・全赤時間の設定についての考え方の比較整理及び停止確立モデルの適用性の検討 車両に対する黄・全赤時間の設定原則について、諸外国での考え方を比較した結果、基本的には大きな差異のないことが知られた。実際場面における問題点は、黄・全赤時間をその設定原則に基いて設定しても運転者がその意図どおりに行動してくれずに、全赤時間までくい込んで通行しようとする傾向が強まることである。こうした挙動が起こらないようなクリアランス時間の設定が肝要である。歩行者に対する点滅時間・全赤時間の設定に関しては、わが国とアメリカとではその考え方に大きな差異があることが知られた。横断所要時間に見合った最小の青時間を提供しようとするアメリカの考え方は、車両の捌け台数を増加させる上でも、横断歩行者の行動開始時点を統制するためにも有利である。安全に関する実証的分析が今後重要になる。 既開発の停止確率モデルは上記の運用上の課題に有効な情報を与えると期待できることから、こうした点からの検討を深め、停止確率モデルの適用場面を整理し、モデルによる評価方法を明らかにしたい。 2.交通現象の実測・分析 : 黄・全赤時間、交差点規模、運用形態の異なる交差点について観測を実施し、歩行者に対しての停止確率モデルによる分析を試みた。未だ観測地点数が十分でないため、今後、観測地点を増す計画である。観測地点の選定段階において時としてネックになるのはビデオ撮影場所の確保であることから、この点の克服のための観測方法の工夫を行った。これにより作業の効率化が期待できる。
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Research Products
(1 results)