1992 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気好気法活性汚泥(リン蓄積汚泥)による生物分解性プラスティックの生産
Project/Area Number |
04650492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
味埜 俊 東京大学, 工学部, 助教授 (60166098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 友矩 東京大学, 工学部, 教授 (80010784)
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Keywords | 嫌気好気法 / ポリヒドロキシアルカノエイト(PHA) / 生物分解性プラスチック / リン蓄積汚泥 |
Research Abstract |
嫌気好気活性汚泥法で形成されるリン蓄積汚泥による生物分解性プラスティック(PHA)の生成に関する実験的検討を行い、以下のような研究実績を得た。 1。酢酸を主基質として運転した嫌気好気法で形成させたリン蓄積汚泥に対し、酢酸またはプロピオン酸を投与するバッチ実験を行い、本研究グループの提案している生化学的モデルの化学量論に従って、嫌気条件下でPHAの生産が生じることを確認した。 2。同上の汚泥に他のいくつかの有機基質を投与した場合、これまで知られていなかった新しいPHAユニットができている可能性が示唆されたが、詳細は今後の研討が必要である。 3。実処理場の嫌気好気汚泥に実際の下水を投与した場合に、炭水化物の減少、PHAの生成という上記モデルに従った反応が生じていることが実験的に確認された。 4。PHAの生産は、すぐれた能力を持つリン蓄積汚泥を用いれば、嫌気条件下よりもむしろ嫌気条件でより多く進行することが実験的に示唆された。今後、酸素供給とPHA生産の関係を調ベる必要がある。 5。ビウレット法によるたんぱく質分析と、ダブシル化法と液クロを組み合わせたアミノ酸分析を用いて、汚泥中のたんぱく質・アミノ酸の挙動を追跡する方法を確立した。 6。前項の分析法を用い、アミノ酸を主基質として運転した嫌気好気法のリン蓄積汚泥によるアミノ酸代謝を調べるバッチ実験を行った。グルタミン酸の一部は低分子のまま細胞内に蓄積される可能性が示唆されているが、詳細は今後の検討が必要である。
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