1993 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物埋立地における重金属安定化への硫酸還元菌の役割に関する研究
Project/Area Number |
04650495
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高見澤 一裕 岐阜大学, 農学部, 助教授 (00159005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 啓一 岐阜大学, 農学部, 教授 (00002064)
堀津 浩章 岐阜大学, 農学部, 教授 (60021680)
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Keywords | 硫酸還元菌 / 廃棄物埋立地 / 不溶化 / 金属硫化物 |
Research Abstract |
海面埋立地として大阪市北港処分場及び新たに伊勢湾の海面処分場そして、陸上埋立地として札幌市と福岡市を調査対象として硫酸還元菌の分布調査を行った。海面埋立地の遊水面からは0.9から2400MPN/mlの硫酸還元菌が検出された。前年度までの結果をあわせて考えると、海面埋立地においては遊水面中に季節や埋立の進捗状況にかかわらず、硫酸還元菌は普遍的に存在していると考えられる。今年度新たに行った陸上埋立地の調査では、浸出水及びボーリング孔内水からは、検出されなかった1箇所を除いて、6,8から2400MPN/ml以上の硫酸還元菌が検出された。検出されなかった箇所は、嫌気性埋立のモデル実験槽の浸出水であり、嫌気性が極端に強いと硫酸還元菌は検出されないことになる。陸上埋立地の現地調査は嫌気性埋立地及び準好気性埋立地について行ったが、埋立歴史の長短や浸出水に含まれる有機物や硫酸イオン濃度の大小にかかわらず常に硫酸還元菌は存在した。さらに、これら浸出水から重金属類は検出されなかった。以上の海面埋立地と陸上埋立地の調査から硫酸還元菌は埋立地に普遍的に存在し、そして重金属の不溶化に関与しているといえる。次にこれらの硫酸還元菌を集積培養して生理的特性について検討した。各重金属の耐性濃度は、Cd^<2+>1mM,Cr^<6+>8mM,Cu^<2+>2mM,Zn^<2+>2mMとなり過去の硫酸還元菌の重金属耐性に関する報告例よりも高い値となった。また、pH4.0でも生育できる酸耐性菌群が得られたが、カドミウムを対象とした不溶化実験ではpH5.0での不溶化率は約45%とpH7.0での条件より著しく低くなり、菌数も低下した。
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