1992 Fiscal Year Annual Research Report
廃水中の非極性微量有害化学物質のコアレッシングろ過による除去
Project/Area Number |
04650496
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 三郎 京都大学, 工学部, 教授 (90092808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 春美 京都大学, 工学部, 助手 (40089123)
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Keywords | コアレッシングろ過 / 疎水性ろ材 |
Research Abstract |
コアレッシングろ過とは、発泡プラスチックろ材を浮遊層として、先ずろ材に吸着剤となる油分を含ませ、廃水中の非極性物質を吸着、コアレッシングさせることを利用して、親油性(非極性)微量有害化学物質を分離処理しようとする方法である。以下に得られた成果を示す。 1.コアレッシングろ過の除去・回収機構の解明……モデル物質としてテトラクロロエチレンを用いて回分式実験とカラム実験を行った。回分式実験から、本研究で用いたろ材(発泡プラスチックにn-ヘキサンを保持させたもの)の吸着等温線はFreundlich式で表すことができたが、kの値は活性炭の約1/800、1/nは2倍と、活性炭より吸着能力は低いと考えられた。カラム実験の結果からは、活性炭吸着と同様の解析で得た理論破過曲線や理論吸着量と比較して、理論値以上のテトラクロロエチレンが層内に抑留されていることがわかり、また、層内でテトラクロロエチレンの粗粒化がおこっていることが確認され、コアレッシングろ過によるテトラクロロエチレンの除去の有効性が認められた。 2.非極性微量有害化学物質(農薬等)の除去特性……環境水中の農薬(プレチラクロール、シメトリン)のコアレッシングろ過による除去特性を把握するために、水田に実験装置を設置し、実際に使用されている濃度での除去特性を把握することを試みたが、原水と処理水の間でこれらの農薬の濃度に大差はなかった。これはプレチラクロール、シメトリンの水に対する溶解度はそれぞれ50mg/L、450mg/Lで、水田に散布された濃度はこれよりはるかに低いために、ろ材表面への付着・吸着がおこりにくく、そのまま通過してしまったものと考えられた。有害化学物質の非極性度と除去限界濃度の関係を求める必要があるものと推測された。
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Research Products
(1 results)