1992 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的手法を用いた生物学的硝化脱窒素プロセスの微生物評価方法に関する研究
Project/Area Number |
04650499
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 助教授 (80194033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 良信 東北学院大学, 工学部, 教授 (10111246)
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Keywords | 生物学的硝化脱窒素プロセス / 硝化細菌 / DNAプローブ / 16SrRNA / 塩基配列の決定 / 特異的塩基配列 |
Research Abstract |
生物学的硝化脱窒素プロセスは、水域の富栄養化防止に有効な水処理技術として注目されている。本研究では、このプロセス内に安定して硝化反応を行う微生物を保持するうえで必要とされるこの微生物の存在状態と動態を把握するために、遺伝子工学的研究手法を適用する新たな方法論を開発することを目的とした。実際の研究課題としては、これまで知られている硝化細菌およびモデル浄化槽より新たに分離した硝化細菌からリボソームRNAを抽出し、その中の16SリボソームRNA(16SrRNA)の塩基配列を決定した。さらに、この塩基配列からこれらの細菌の各々にのみ特有な塩基配列を検索し、それらに相補する配列をもつ約20ベース程度のオリゴヌクレオチドDNAプローブを合成することを試みた。 得られた研究結果の概要は次の通りである。 (1)従属栄養性の硝化細菌であるArthrobacter globiformisの16SrRNAの部分塩基配列を常法により決定し、この細菌に特異的な塩基配列部分を決定することができた。これによりこの細菌用の特異検出を用なうためのオリゴヌクレオチドDNAプローブを合成することに成功した。 (2)アンモニウム塩を添加して下水処理のモデル実験を行った反応槽より、独立栄養の硝化細菌(アンモニア酸化細菌)を新たに分離することができた。 (3)(2)で分離した硝化細菌についても常法によって16SrRNAの部分塩基配列を決定できたが、特異的配列部分を検索するためにはさらにデータを増やす必要がある。 (4)亜硝酸酸化細菌については、培養によって得られる菌体量が少なかったため、16SrRNAの塩基配列を決定するために、染色体上の16SrDNAを標的としてPCR法を適用した。この反応産物を用いて塩基配列を決定できることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)