1992 Fiscal Year Annual Research Report
RIを用いた河川水中の利用可能態リン量と生物活性の測定方法に関する研究
Project/Area Number |
04650506
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
福島 武彦 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 総合研究官 (90124354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 隆信 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 研究員
相崎 守弘 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 上席研究官
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Keywords | 河川 / リン / ターンノーバー / 生物活性 / バイオアッセイ / RI |
Research Abstract |
霞ヶ浦(江戸崎入)とその流入数河川(清明川、恋瀬川、天の川)のおいて水サンプルを定期的に採取し、それらにリンの放射性同位体(PO_4-P態)を添加し、その懸濁物質への取り込み速度や平衝状態での懸濁態/溶存態比を測定した。また、水中の利用可能なリン量を推定するため、放射性のリンとあわせて、非放射性のリンを様々な濃度で添加し、懸濁態物質への取り込み速度の変化を調べた。この結果、以下のことがわかった。 (1)湖内でのリンのターンノーバー時間は数10分であるのに対して、河川では数-数10時間と長いことがわかった。これは水中での植物プランクトン等の生物量の差によるものと推定され、湖と河川ではリンの枯渇度にかなりの違いがあることを表している。 (2)平衝状態達成時の懸濁態/溶存態比は、汚濁した水域で高く、そうでない水域では小さいことがわかった。この比は生物量、生物活性の多少に関係しているものと推定された。 (3)非放射性のリンもあわせて添加した実験から、水中の利用可能なリン量は0.1mg/1以下と極めて少なく、オートアナライザーによる比色分析から得られたPO_4-P濃度と比べ、数10分の1のオーダーであることがわかった。すなわち、従来のように比色分析値から利用可能なリン量を推定すると大きな誤りを生じることを意味している。
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[Publications] 福島 武彦,P.Bossard,J.Bloesch,& R.Facluter: "湖沼底層での懸渇物によるリンの取り込み" 土木学会年次学術講演会講演概要集. 47. 996-997 (1992)