大スパン球形ドームの風による動的応答とその耐風設計手法に関する研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04650511
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 植松 康 東北大学, 工学部, 助手 (60151833)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山田 大彦 東北大学, 工学部, 助教授 (90005471)
• Keywords: 単層ラチスドーム / 振動特性 / 風荷重 / 風洞実験 / 一般化風力

Research Abstract

平成5年度においては,主として,剛接合単層ラチスドームに作用する一般化風力の特性とドームの応答特性,並びに,変動風圧力の時間的・空間的相関性に関する研究を行った。以下にその概要をまとめる。
(1)剛接合単層ラチスドームの振動特性
スパン80〜200mを有する12種類の剛接合単層ラチスドームに対し,昨年度作成したプログラムを用いて固有値解析を行い,固有振動数並びに固有振動モードを把握した。また、平均風圧力による静的変形が固有振動特性に及ぼす影響についても検討した。
(2)ドームに作用する一般化風力の特性に関する風洞実験
(1)の解析結果に基づき,ドームの低次6モードに対する一般化風力を市街地風を模擬した乱流境界層内で測定し,平均値・RMS値・パワースペクトルを求め,それらに及ぼすドーム形状や風向角の影響を明らかにした。
(3)ドームの強風応答特性
(2)で得られた一般化風力の特性値を用いて,強風中におけるドームの応答特性を各モード毎に解析した。一般に、軸対称モードの振動では準静的成分が卓越し,振動全体に対する寄与率も大きい。一方、高次の非軸対称モードの振動では,準定常成分は小さいが風向によっては共振成分が非常に大きくなることがある。
(4)ドームに作用する変動風圧力の時空相関
5種類のライズ-スパン比を有するドーム模型を用い、圧力変動の多点(約200点)同時計測を行い,風圧力の空間的および時間的相関を把握した。また,主成分解析を行い,支配的なモードを明らかにし、ドームの卓越振動モードについて考察した。

Research Products

• [Publications] 植松康,山田大彦,福士誠: "Structural characteristics and wind-induced dynamic behavior of a long-span spherical dome" Proc.of 12th Symposium on Engineering Applications of Mechanics. (1994)
• [Publications] 植松康,山田大彦,福士誠: "球形ドームに作用する風圧力の時間的・空間的相関性" 第13回風工学シンポジウム論文集(発表予定). (1994)
• [Publications] 植松康,山田大彦(分担): "シェル・単層ラチス構造の地震・風応答と動的安定" 日本建築学会・(シェル空間構造運営委員会編), 17 (1993)