1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650512
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
上村 克郎 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70177583)
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Keywords | 超高強度コンクリート / 引張特性 / 靭性 / 破壊エネルギー / 粗骨材 / アレスト作用 / 粗骨材とモルタルマトリックスとの相互作用 / 粗骨材絶対容積 |
Research Abstract |
超高強度コンクリートの破壊を支配する粗骨材に着目し、ひびわれ進展抵抗性に及ぼす粗骨材の複合効果に伴う引張特性を把握するために、破壊力学的手法を用い実験検討した。さらに、超高強度コンクリートの脆性的な引張破壊に対する靭性の向上策を検討した。 実験の要因と水準を次に示す。コンクリート強度については、水結合材比は20(20)20(10)25(10)25(5)、25、35、50、65%の8水準とした。括弧内の値は、100MPaを越える超高強度域を考慮するため低水結合材比の条件においてセメントの一部をシリカフュームに置換した置換率%である。粗骨材については、川砂利、石灰岩砕石、硬質砂岩砕石、人工軽量骨材ならびに粗骨材無し(モルタル)の5水準とした。また、水結合材比20(10)、25、35、50、65%の5水準のコンクリートについて粗骨材絶対容積を0、200 300、400l/m^3の4水準設定した。 コンクリートの靭性能は、破壊エネルギーにより考察することとし、切欠き付き直方試験体(20×40×160mm^3)を用い3点曲げ試験による破壊エネルギー試験を実施した。 その結果、本研究の範囲内で以下が明らかになった。 1.超高強度コンクリートの脆性的な引張破壊は、粗骨材強度とモルタルマトリックス強度との強度バランスが崩れているために、粗骨材とモルタルマトリックスとの相互作用の低下ならびに粗骨材のアレスト作用の低下のために生じることが示された。 2.超高強度コンクリートの靭性能を向上するには、モルタルマトリックス強度が超高強度域でも粗骨材のアレスト作用が発揮できるような高強度な骨材の使用が望ましく、またその粗骨材量は多いほど良いことが示された。
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