鉄骨架構の地震応答実験・観測資料に基づく耐震終局限界状態関数の最適構成法

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04650513
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 大井 謙一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90126003)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 陳 以一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00242123) ; 洪 起 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80186600) ; 高梨 晃一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013124)
• Keywords: 終局限界状態 / 鉄骨架構 / 耐震設計 / 応答実験 / 応答観測

Research Abstract

本研究は、耐震実験や観測などにより得られた地震時の構造物の応答や破壊プロセスの記録を、構造物の破損の画像情報と共にデータベース化し、このデータベースを用いて専門家によって鉄骨架構の終局限界状態がどのような因子や限界状態関数に基づいて判定されているか、さらに種々の地震応答に関わる不確定性を考慮し、それをどのように改善すべきかについて検討する。
本年度は
1)十数年来蓄積している振動台もしくは電算機ー試験機オンラインシステムによる約70例の弾塑性地震応答実験データ、10例の自然地震に対する弾塑性応答観測データを設備品として購入した光磁気ディスク装置に格納した。
2)格納されたデータを任意に呼び出して、各種の応答値、グラフをパソコンのディスプレイ上で比較照合でき、各実験・観測例に対する順位付け・評点づけなどができるシステムを作成した。
3)被験者として申請者らが、完全倒壊を1・無被害を0としたときの各実験・観測例の損傷度の評点付けや順位付けを試みた。 その結果から逆に損傷度を決定する因子を分析できるか、また専門家として判断(評点付け)を何らかのルールによる推論機構で再現できるなどについて検討した。
4)以上の結果をふまえて損傷度の判定し関するテストの実施要領を作成し、研究者・設計実務家・学生などの被験者グループに依頼する予定である。

Research Products

• [Publications] 張 紅,大井 謙一,陳 以一,近藤 日出夫: "鋼構造骨組の地震応答実験データベースを利用した弾塑性応答予測誤差の検討" 1992年度 建築学会大会(北陸) 学術講演梗概集. C. 1353-1354 (1992)
• [Publications] 張 紅,大井 謙一,陳 以一,近藤 日出夫: "鋼構造骨組の地震応答実験データベースを利用した損傷度予測の検討" 日本建築学会関東支部1992年度研究発表会研究報告集〈構造系〉. (1993)
• [Publications] K.Ohi,K.Takanashi,H.Kondo,H.Zhang: "Structural Damage of Steel Frame Models Compiled in Earthquake Response Test Database,SCARLET" Bull.of Earthquake Resistant Structure Reserch Center. 26. (1993)