1992 Fiscal Year Annual Research Report
繰り返し載荷を受ける鋼構造建築骨組の不安定挙動の解明と安全性評価法の開発
Project/Area Number |
04650518
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上谷 宏二 京都大学, 工学部, 助教授 (40026349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正美 米子工業高等専門学校, 助手 (50186772)
大崎 純 京都大学, 工学部, 助手 (40176855)
竹脇 出 京都大学, 工学部, 助手 (20155055)
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Keywords | 鋼構造建築骨組 / 対称限界 / 不安定挙動 / 交番塑性変形 / 耐震設計 / 動的崩壊挙動 / 複合非線形解析 / 定常状態限界 |
Research Abstract |
地震や風などの変動外乱の下で建築骨組構造物がどのような不安定挙動を呈して崩壊に至るかを明らかにし、設計上想定される外乱に対して構造物が不安定な挙動を起こすことがないかどうかを適切に評価、判定するための方法を提案することをめざして研究を行ない、次のような実績を得た。 1.静的繰り返し水平変位を受ける多層多スパン平面骨組の対称限界理論解の導出 一定鉛直荷重の下で完全両振り繰り返し頂点水平変位を受ける多層多スパン平面骨組に対称限界理論を適用し、特定の変形モードが発生し一方向に累積していく現象と、その発生条件を予測した。梁降伏型骨組の変形モードは、柱が複数層にわたって弓形にはらみ出す変形モードであり、柱降伏型では、特定の層に塑性変形が集中するモードである。 2.静的繰り返し水平変位を受ける多層多スパン平面骨組の塑性崩壊挙動の解明 歴挙動解析を行ない、対称限界理論解を実証するとともに、対称限界を超える載荷条件のもとでは理論予測された逆対称変形成分が繰り返しの度に累積されることにより復元力特性が劣化し、終局的に崩壊に至る挙動が生じることを解明した。 3.任意形状平面骨組の対称限界及び定常状態限界の解析 定常状態経路を追跡することにより任意形状平面骨組の対称限界及び定常状態限界を求めることができる数値解析プログラムを作成した。このプログラムを用いて、柱軸力が変動する多層1スパン骨組の対称限界と定常状態限界を求めた。 4.動的周期地動を受ける多層多スパン平面骨組の塑性崩壊の解明 一定鉛直荷重の下で動的周期地動を受ける多層多スパン平面骨組の履歴応答解析を行ない、静的繰り返し水平変位の下での対称限界が動的挙動の安定限界と密接な関係があることを明らかにした。
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[Publications] 森迫 清貴: "定鉛直荷重下で繰り返し水平載荷を受ける2層1スパン平面骨組の崩壊挙動解析" 構造工学論文集. 38B. 531-536 (1992)
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[Publications] 上谷 宏二: "繰り返し水平載荷を受ける多層多スパン平面骨組の塑性崩壊挙動(その1:多層多スパン平面骨組の対称限界理論)" 日本建築学会構造系論文報告集. 435. 61-70 (1992)
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[Publications] 上谷 宏二: "繰り返し両振り曲げを受ける片持梁-柱の定常状態限界理論(その1:基礎理論及び離散化モデルを用いた数値解析法)" 日本建築学会構造系論文報告集. 438. 105-117 (1992)
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[Publications] 上谷 宏二: "弾塑性構造物の臨界挙解析のための整合剛性行列形成法" 日本建築学会構造系論文報告集(掲載決定). (1993)
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[Publications] 西村 督: "増分摂動法による立体骨組の大たわみ解析" 構造工学論文集. 38B. (1993)
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[Publications] 上谷 宏二: "繰り返し水平載荷を受ける梁降伏型多層多スパン平面骨組の崩壊挙動解析" 日本建築学会大会学術講演梗概集. (東北). 1537-1538 (1991)
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[Publications] 上谷 宏二: "繰り返し載荷を受ける柱材の臨界挙動「鋼構造物の座屈に関する諸問題」第5章" 日本建築学会, 36 (1992)
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[Publications] Koji UETANI: "The Proceedings of this seminar has been published as “Stability and Ductility of Steel Structures under Cyclic Loading"(Cyclic plastic collapse of steel planar frames)" CRC press, 10 (1992)