1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650519
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠崎 祐三 京都大学, 工学部, 講師 (80026236)
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Keywords | 不整形地盤 / 設計用入力地震動 / 境界積分方程式 / 異常震域 / 表面波 |
Research Abstract |
3次元の不整形盆地構造の地震動特性を解析するための方法として,様々なものがある。すなわち,まず最初に Wave function expansionに基づく方法が挙げられる。この方法は半球関数を用いるため,盆地構造の地層境界が半球形から離れるに従いその精度は悪くなる。また,地表面の応力ゼロの境界条件を完全に満足させることは困難であり,盆地の規模の高々2〜3倍の領域の地表面でのみ応力ゼロを満足させることが出来ない。従って表面波入力や盆地構造から離れた地点での断層震源に対して正しい応答を与えない場合がある。 上記の方法以外に,空間的に盆地を周期的に配置するという仮定を設け解析を容易にしたAki and Larner(1970)の方法を3次元盆地構造に適用した研究がある(例えばHorike et al.,1990;Ohori,1990).この方法は計算が早いなどの長所をもつ反面,高振動数になるに従い膨大な記憶容量を必要とする。 以上のような制約が最も少ない解析手法として境界積分方程式の方法が挙げられる。本研究では半無限弾性地盤のGreen関数(Yoshida and Kawase,1988)を用いて解析を行った。この方法による解析の長所として, (1)任意形状の3次元地層境界の盆地構造モデルの取扱が容易である。 (2)地表面応力ゼロのGreen関数を用いるため入力波動として表面波の場合に対しても制約がない。 (3)高振動数でも数値解精度が安定している。 が挙げられる。 本研究の結果をSanchez-Sesma et al.(1988)の結果と比較検討した結果両者はよく一致することが分かった。しかしながら無限積分で表示される半無限弾性地盤のGreen関数の計算には多大な計算時間を必要とするため,現状の計算コードを大幅に改良する必要があることが分かった。
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