1992 Fiscal Year Annual Research Report
ウォータ・フロントにおける杭基礎構造の動的地盤減衰に関する基礎的研究
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04650524
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
日下部 馨 神戸大学, 工学部, 教授 (80027250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 幸典 神戸大学, 工学部, 助手 (00116253)
福住 忠裕 神戸大学, 工学部, 助手 (40031140)
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Keywords | 抗基礎 / 埋設基礎 / 土の非線形性 / 薄層要素法 / 有限フーリエ変換 / 起振機試験 / 振動特性 / 複素剛性 |
Research Abstract |
本研究課題では、抗基礎ー地盤系の複素剛性について実験および解析の両面から検討を加え、抗基礎-地盤系の複素剛性、特に地盤減衰、の評価法を提案すると同時に、合理的な耐震設計を行うのに必要となる抗基礎-地盤系のモデル化の方法を提案することを研究の目的とする。以下に、本年度行った研究で得られた知見を示す。 1.表層地盤と剛基礎で構成される地盤内に打ち込まれた浮き杭に対し、郡杭-地盤系の振動特性を有限フーリエ変換を用いた理論解析により、解の誘導および数値解析を行った。解析の結果、振動特性に及ぼす杭の剛性の変化による影響は全般的に杭が長くなるに従って大きくなること、伝達関数の振幅は振動数の上昇とともに単調減少するが、位相は急速に進む傾向にあり、入力損失の現象がよく現れていること、杭が柔長になるほど自由地盤の挙動に近くなる傾向にあることが判った。 2.地震時の杭基礎において、杭周近傍の土には弾塑性的な状態を示し易い。ここでは、基礎上に表層地盤があるとし、かつ、杭周近傍の弾塑性的性質を持つzoon Iと杭からある程度離れた弾性的性質のみのzoon IIよりなる杭-地盤系の振動特性を、薄層要素法を用いて定式化し、数値分析を行っている。解析結果より、杭頭に加振力を作用させる地表近傍ほど剛性低下・減衰増加の傾向がみられるが、同一加振力に対しては加振振動数が増加すると剛性低下・減衰増加が地盤深くまで浸透することが判った。 3.地表面の基礎あるいは地盤内に一部根入れされた埋設基礎の起振機による加振実験から、埋設基礎のバネ剛性および減衰係数を算定する方法を提案する。すなわち、従来、導入が困難とされていたクロス成分の評価を理論解より仮定し、バネ剛性・減衰係数を算定したところ、回転に対する等価減衰係数が改善された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 野添 久視、日下部 馨、福住 忠裕: "単杭の鉛直・水平振動特性の一簡易評価法" 日本建築学会構造系論文報告集. 第438号. 49-64 (1992)
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[Publications] 三木 智裕、野添 久視、日下部 馨: "鉛直振動における群杭-地盤系の振動特性" 日本建築学会大会学術講演梗概集、構造I. 611-612 (1992)
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[Publications] 野添 久視、日下部 馨、福住 忠裕: "群杭-地盤系の杭頭での伝達関数の物理的近似化" 日本建築学会大会学術講演梗概集、構造I. 613-614 (1992)
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[Publications] 柳澤 信行、日下部 馨、野添 久視: "土の非線形性を考慮した杭-地盤系の鉛直振動特性" 日本建築学会大会学術講演梗概集、構造I. 615-616 (1992)