1992 Fiscal Year Annual Research Report
吸放湿性を考慮した室温湿度・熱負荷の確率性状の解析法に関する研究
Project/Area Number |
04650540
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鉾井 修一 京都大学, 工学部, 助教授 (80111938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 衛 神戸大学, 工学部, 教授 (10031064)
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Keywords | 吸放湿 / 確率性状 / 時系列モデル / 相互相関 / 重み関数 / 離散フーリエ変換 / 相対湿度 |
Research Abstract |
外気温度と外気湿度の確率的変動を表現するARMA(Auto-Regressive Moving Average)モデルを作成した。この確率時系列モデルは、外気温と外気湿度それぞれの自己相関のみならず、両者の間の相互相関を考慮したものである。結露に対する吸放湿材の影響の検討を主たる対象とし、冬季の東京の気象データの整理を行った。決定されたモデルは2次であり、この程度の低次のモデルでも生データの特性を比較的良好に表現可能であるという結果が得られた。これらのデータ整理にはパソコンが有効に利用された。 吸放湿性を考慮した室温湿度の数値計算法について検討した。住宅等の多数室で構成される建物を考慮するため、重み関数表現に基づく解析法を採用した。重み関数を求める方法としては、離散フーリエ変換を用いた。間欠空調を行う場合には時変系となるため、それに伴う数値解析上の問題点についても検討した。非常に細かい差分計算(それを正解とみなした)との比較により、離散フーリエ変換により適切な精度をもつ解を得るために必要とされる時間刻みと計算対象時間を求めた。 得られた外界気象の確率時系列モデルと離散フーリエ変換により得られた重み関数を利用して、外界条件が確率的に変動する場合の室温湿度と熱負荷の確率性状の解析を行った。 更に、結露の生起の判定や室内環境の評価には室空気の相対湿度が不可欠なため、上述の解析により得られた室温湿度の確率密度関数より室内空気の相対湿度の確率密度関数を求める方法も開発した。得られた相対湿度の確率密度は、正規分布に非常に近いものであった。同時にその計算に伴う数値計算上での問題点についても検討した。
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