1992 Fiscal Year Annual Research Report
地表面・地盤内の伝熱特性に関する長期観測とその定式化
Project/Area Number |
04650541
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塩月 義隆 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (40150487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40150502)
片山 忠久 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (80017938)
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Keywords | 地表面熱収支 / 長期観測 / アルベド / 地表面温度 / 地中温度 / 土中含水率 / 蒸発潜熱 / 通年データ |
Research Abstract |
1.過去4年間にわたって行ってきた長期観測データの解析を進めている。対象としている地被材料は裸地、芝地、アスファルト舗装、コンクリート舗装、透水性アスファルト舗装の5種類であり、研究の進歩状況と現在までに得られた主な知見は以下のようである。 (1)4年間の地表面および地中温度の年間変動特性を、気象データと共に整理した。 (2)各測定年度によって、かなりの欠測データが生じため、4年間分のデータから欠測の少ない一月単位のデータを抽出し、それらを合成して気象、地表および地中温度の標準的な通年データを作成した。 (3)同様に、気象データ、地表面および地中温度、地表面熱収支の時刻別平均値を各月毎に作成した。また、日積算日射量と地表面温度の日較差との関係を調べた。 (4)地表面の蒸発の有無が、温度および熱収支に及ぼす影響について、降雨後の蒸発過程における実測データを用いて解析した。 これらの解析結果から、(1)地表面および地中温度は1年を周期にして変動する、(2)地中80cmの温度は地表面温度に約半月の時間遅れを生ずる、(3)裸地、芝地の日平均温度は人工地被材料のそれに比較して最大となる夏季において約10℃低い値となる、(4)裸地の地表面温度は表面近傍の含水率の影響を受け、それが大きい場合には日射による温度上昇は抑制される、(5)自然地被の地中への伝導熱流は人工地被材料のそれに比較して小さく、5種類の地表供試体では芝地の値が最も小さくなること等を定量的に明かにした。 2.土壌の電気低抗と温度の関係、電気低抗と含水率の関係を明確にし、電気低抗から土壌の含水率を算出する較正式を作成した(ステンレス線を電極として用いる)。 3.物性値既知の土壌を用いて円筒形(直径12cmX深さ50cm)土壌試験体を作製し、地中内の含水率および温度の鉛直分布を測定した。 なお、2,3の実験室実験については、多くの改善すべき問題点があり、今後はこれらの問題点を解決し、地表面熱収支の定式化を行っていく予定である。
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[Publications] 佐々木 俊彦: "地表面熱収支の長期観測 その7 地表面温度と地中温度の通年変動と月別時間平均値" 日本建築学会九州支部研究報告. 第33号・2. 61-64 (1992)
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[Publications] 佐々木 俊彦: "地表面の温度および熱収支の長期観測 その7 4年間の地表面および地中温度の年間変動" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 環境D. 771-772 (1992)