1993 Fiscal Year Annual Research Report
地表面・地盤内の伝熱特性に関する長期観測とその定式化
Project/Area Number |
04650541
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
塩月 義隆 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (40150487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40150502)
片山 忠久 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (80017938)
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Keywords | 地表面熱収支 / 長期観測 / 土の電気抵抗 / 水分拡散係数 / 土中含水率 / 地表面温度 / 地中温度 / 伝熱シュミレーション |
Research Abstract |
1.土壌の含水率および熱物性値の測定;土壌の電気抵抗値と含水率の関係を温度を媒介変数として求めた。土壌の電気抵抗は低含水率ほど大きく、高含水率における温度の存在性が大きい。次に、熱伝導率測定装置により熱伝導率、同装置を用いた過渡応答により、熱拡散率を含水率を変化させて測定した。さらに、水分拡散係数を電気抵抗法による含水率分布から測定し、含水率との関係を示した。この結果を、実験試料が類似するKLUTE等の測定値と比較し、電気抵抗法の測定精度を確認した。 2.地表面熱収支に関する実験質実験;物性値既知の土壌(山砂)を用いて円筒形(直径12cm×深さ50cm)土壌試験体を作製し、地中内の含水率および温度の鉛直分布を詳細に調べた。試験体は人工気候室内に設置して温湿度を制御し、地表面の近傍風速はファンによって制御した。 3.地表面熱収支および地盤内伝熱の定式化;地盤内の水分移動を含む伝熱過程をモデル化し、差分法を用いて地表面を含む地盤内の温度、熱流、含水率を計算して実験値と比較したが、両者には大きな差が生じた。土壌内の水分移動は含水率勾配に依存するだけでなく、土壌粒子の間隙から直接、地表面に抜ける蒸発量が無視できないことを確認した。水分拡散係数測定装置の改良と、土壌内水分の移動のメカニズムをさらに詳細に検討し、精度の高い定式化を図ることが今後の課題である。 土壌の熱物性値は、現有の平板比較法測定装置を改良し、水分拡散係数は新たに装置を開発して測定した。これらの測定には平成4年度分で購入したデータロガーを用いた。装置の製作および測定で使用した熱電対、アクリル板、断熱材、記録紙等の購入費用は、申請書で計上した消耗費で賄った。データの整理、解析は現有のマイコンで行った。
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Research Products
(1 results)