1992 Fiscal Year Annual Research Report
歩行経路網の「平面構成」の記述ならびに「分かりやすさ」の評価に関する基礎的研究
Project/Area Number |
04650558
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
舟橋 國男 大阪大学, 工学部建築工学科, 教授 (50029203)
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Keywords | 歩行経路 / 平面構成 / 経路探索 / 分かりやすさ |
Research Abstract |
大規模で複雑な施設における「分かりやすい」環境の計画理論構築への一歩として、「分かりやすさ」の要因として挙げられている、経路の平面構成・環境の分節・知覚的接近可能性・サイン、の4要因のうち、経路の「平面構成」という概念自体が持つ意味や、それが実際の歩行行動場面・視野における「分かりやすさ」に与える影響を、体系的・具体的に解明するために、平成4年度は、以下の2点を採り挙げた。 (1)歩行経路網の「平面構成」の記述方法:既往の文献により「平面構成」の意味を比較検討し、その分類記述の方法を探っている。現時点で注目される記述法は、建築界で慣習的な分類記述法(例:廊下型・ホール型等)、グラフ理論による特徴付け、シンタックス理論(Hillier&Hansen)による特徴付け、等である。いくつかの平面構成事例について、これらの異なる記述法の適用を試み、それぞれの記述法の特性を比較しているが、概念的に記述される「平面構成」と、歩行行動時に視野に入る空間の形態との関連を明かにすることが今後の課題になると考えられる。 (2)歩行経路網の「平面構成」例の収集整理:実例収集対象の施設種別は、庁舎・病院建築・事務所ビル・地下街ならびに住宅地区とし、海外の事例を含む各種資料によって経路網の事例を収集している。不特定多数人が利用するいわゆる「パブリックスペース」が複雑化して、直感的な意味で「分かりにくい」平面構成となりやすく、利用者が実際に利用する経路網部分が結果的には比較的簡明な平面構成に限られている傾向が認められる。
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