1992 Fiscal Year Annual Research Report
建築プロジェクトにおけるコンストラクション・マネジメントに関する調査研究
Project/Area Number |
04650567
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嘉納 成男 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60112992)
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Keywords | 発注者 / コンストラクション・マネジメント / 建築プロジェクト / 設計事務所 / 建設会社 / 建設産業 |
Research Abstract |
本調査研究では、CM方式をめぐる議論を踏まえて、日本の主要企業に対してアンケート調査を実施し、建築プロジェクトを発注する側の建築に関するサービス並びにCM方式に対するニーズを探り、日本型CM方式の在り方を研究した。 調査の対象とした企業は、日本の上場企業2、000社とした。これらの企業に「建築プロジェクトにおけるCM方式に対する意識調査」を実施し、建築に関するサービス並びにCM方式に対する発注者のニーズと意識を明らかにした。アンケート項目は下記に示すものとし、無記名で回答を依頼した。 (1)会社の概要(業種、年間売上高等) (2)建築プロジェクトの担当部署(担当部署名、部署職員数等) (3)最近の工事物件の実施状況(実施状況に対する希望や不満) (4)設計事務所、建設会社等に対する希望 (5)建設契約の新しい試みに対する意識(CM方式発注の試み等) この結果、約400社から回答を得ることが出来た。この分析によって、発注者はCM方式について強い関心があり、将来CM方式の採用を検討しても良いと考えている企業が多いことが判った。また、発注者の多くが、設計事務所並びに建設会社に対して、完全に満足しているとは言い難く、今後改善する余地が残されていることも、アンケートの回答が示している。これらの不満の多くは、設計者に対しては「設計に関するコスト・プランニングの不徹底」、建設会社に対しては「工事費の不明確性」、として挙げられている。この結果、発注者側からのCMサービスに対するニーズは、発注者が潜在的に有しているものと考えれ、今後建築生産における体制の変化に応じて新しい業態のサービスが成立する可能性の高いことが明かとなった。
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