1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650586
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斎藤 敏明 京都大学, 工学部, 助教授 (90056151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳谷 俊 京都大学, 工学部, 助手 (00259128)
松本 義雄 京都大学, 工学部, 助手 (00026022)
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Keywords | 岩盤内空洞 / 長期安定性 / 風化過程 / 時間依存特性 |
Research Abstract |
本年度における研究実績の概要は次のようである。 1.開削されてから約300年経過していると思われる坑道を対象とし、ボーリングにより坑道周辺から採取された岩石試料について、弾性波伝播速度、ヤング率、1軸圧縮強度などについて計測を行い、時間経過によってこれらの特性が空洞周辺でどの様に変化しているかについて検討を行った。この結果、測定地点毎にかなりのばらつきがあるものの、強度などの低下は必ずしも空洞壁面近くが最大になるわけではなく、少し奥部の方が強度低下が大きくなる傾向があることや、300年間での強度低下などの影響域、強度低下量などについておおよその値を明かする事ができた。 2.また、採取された岩石試料の不連続面の先端近傍の顕微鏡観察を行った結果、クラック周辺の風化とクラック進展が段階的に発生していることが明かとなり、クラック進展と風化の進行に関する有用な試料を得た。 3.クラックの表面近傍の風化の進行は、クラック表面の表面特性の変化やクラックの間隙幅の増大と捉えることができ、これによって新たなクラック進展が生じると考えられる。したがって、このようなメカニズムで時間特性をモデル化することとし、表面特性と力学特性との関連性に関する研究成果やクラック進展に関する理論を組み込んだモデル化を検討した。 4.1次支保の強度低下は岩盤に比べ相当早く生じることが予想された。したがって、ロックボルトや吹付けコンクリートなどの支保効果は時間特性の検討からは除外することとした。
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