1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650594
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 貞衛 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80005892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高広 克己 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80236348)
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Keywords | 水素 / 多層膜 / イオンビーム分析 / 金属界面 |
Research Abstract |
固体界面や結晶粒界における水素の偏析はフェライト銅の水素脆化やAl合金の応力腐食割れ、MOSデバイス界面の機械的・電気的性質などに重要な影響を与えることが示されている。本研究は、申請者が開発した高エネルギーイオンビームの反跳粒子検出法による水素の定量法を用い、各種金属界面における水素の捕捉挙動を調べることを目的とする。 まず、応力腐食割れと界面における水素の偏析の関連を明らかにするために、Alと各種金属(Au、Ag、Cu)の二層または三層薄膜を作成し、これに水素をイオン注入などにより吸蔵させ、界面における水素偏析の有無を検討した。Alおよび貴金属(Au、Ag、Cu)は共に水素の溶解エンタルピーは正であり、イオン注入により飽和する迄水素を打ち込んでも、試料内部に保持されている水素の濃度は、イオンビーム検出法による水素の検出感度(〜0.2at%)以下である。これに対して、AlとAgの二層膜に水素を打ち込んだ場合には、界面に水素が偏析することが明瞭に認められ、偏析水素の面密度は約2x10^<15>H/cm^2と評価された。界面に捕捉されている水素量の温度変化の測定より求めた界面による水素の捕捉エネルギーは約0.2eVであった。Al/CuおよびAl/Au二層膜についても、水素の界面偏析が認められたが、偏析量はAl/Agの場合よりも低い。 水素を発熱的に固溶するNbとTa多層膜についても、界面偏析の有無の検討を行うことを計画している。現在積層周期を人為的に変化させた多層膜試料の作成を行っている。
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