1992 Fiscal Year Annual Research Report
改良型電子ビーム浮遊帯域溶融精製法による希土類金属の高純度化
Project/Area Number |
04650609
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三村 耕司 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (00091752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一色 実 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20111247)
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Keywords | 希土類金属 / ネオジム / ランタン / 高純度化 / 帯域溶融 / 真空溶解 / 精製 |
Research Abstract |
希土類金属のNd,Laを対象に高真空電子ビーム浮遊帯域溶融(以後、EBFZMと略す)を実施し、各不純物がどの程度まで低減可能かなど、次年度実施予定の改良型EBFZMと比較するための基本データを得た。また、現有のEBFZM装置に電流導入端子、バリアブルリークバルブ等を付設し、改良型EBFZM(エレクトロマイグレーションを重畳したEBFZM、極低圧水素雰囲気中でのEBFZMなど他の精製法を付加したEBFZM法)行うための準備を行った。 本年度実施した通常のEBFZM法によるNd,Laの高純度化研究からは、以下の知見を得た。Ndの場合、非金属不純物の酸素、窒素の低減は認められなかったが、炭素に関しては偏析により始端側に濃集し、終端側で半減することができた。金属不純物では、高蒸気圧のCa,Mgは迅速に蒸発除去され容易に5ppm以下に減じられた。一方、蒸気圧が低いFe,Cu等の蒸発除去は困難であったが、偏析により始端側での低減が確認された。ただし、低濃度まで減じるには低移動速度で多重回パスが必要と結論された。他方Laの場合も、酸素、窒素の減少は殆ど認められなかったが、炭素、硫黄は偏析により始端側で減少することが確認された。金属不純物に関しては、Ca等の蒸発除去が確認され、また偏析により始端側でSiの低減が確認された。しかし、Fe,Cu等の金属不純物の蒸発除去は認められず、また偏析効果も僅かであった。以上の結果、EBFZMを経たNd,Laともに残留抵抗比は向上したが、各不純物の低減化率が小さいことから顕著な残留抵抗比の増加は認められなかった。 従って、次年度は改良型EBFZM法を活用し、酸素、窒素等の非金属不純物および蒸気圧の低い金属不純物の低減化を追求し、Nd.Laの一層の高純度化を図る。
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