1992 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜機能材料の連続化プロセッシングに伴なう固気混相流に関する基礎的研究
Project/Area Number |
04650617
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福中 康博 京都大学, 工学部, 助手 (60111936)
|
Keywords | CVD / TiC / 反応機構 / 優先配向 |
Research Abstract |
傾斜機能材料の連続化プロセッシングに伴う固気混相流に関する基礎的研究として(1)熱CVDプロセスによるグラファイト基板上へのTiCの成膜速度とその反応機構に関する研究及び(2)ノズルから吹き出された固気混相流の拡がり角に及ぼす反応装置壁面の影響に関する研究を行った。 (1)本研究ではその反応過程が比較的単純と思われるTiCを、グラファイト基板上へ成膜させた。原料ガスとしてCH_4,H_2およびTiCl_4を用い、1000℃に於いてCVD反応を行い、反応前後に於ける基板の重量変化により成膜速度を算出した。ガスの総流量による影響はほとんど認められなかったため、P_<CH4>,P_<H2>およびP_<TiCl4>を変化させて、成膜速度の分圧に対する依存性について検討した。 その結果、すべての実験条件下に於いてTiCのみが生成し、TiCの生成量は時間に比例して大きくなった。P_<CH4>の増大に伴って反応速度はほぼ直線的に増加した。また、P_<CH4>=0atmの条件下でもかなりの速度でTiC膜が生成された。一方、TiCl_4分圧を変化させた実験ではP_<TiCl4>=0.004atmまではP_<TiCl4>の増大に伴って成長速度は急激に大きくなるが、0.02atm以上に大きくしても成長速度は飽和した。更に、反応速度に及ぼすP_<H2>の影響はP_<CH4>およびP_<TiCl4>と比較して小さい事が判った。 生成したTiCの表面形態は、P_<CH4>あるいは、P_<H2>の増大に伴って粒状晶から針状晶へと変化し、X線回折パターンも粉末に近い状態から(111)面および(220)面の優先配向性を示した。それと同時に、このような条件下では成膜速度も速いことが認められた。 (2)円筒容器内へ吹き出された固気混相流の拡がり角に及ぼす反応装置壁面の影響を測定するためスリット光源を作成した。現在,固気比や粒子径の影響について検討中である。ジェット内の粒子数密度や粒子速度の検討を行った上,粒子温度の計測に取り組みたい。
|