1992 Fiscal Year Annual Research Report
凸面形状工具による自由鍛造における延性の規準と限界
Project/Area Number |
04650624
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
守時 一 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (60005246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 栄樹 秋田大学, 鉱山学部, 助手
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Keywords | 鍛造 / 延性限界 / 塑性不安定 / 成形限界 |
Research Abstract |
薄板の降伏強度の増加と加工部分のばね特性の向上を目的に,凸面工具を用いた板の冷間鍛造を行った.素材は,板幅は15mm,板厚は0.8mmから1.5mmの範囲にある各種金属板を用いた.鍛造工具は直径6mmから12mmの円柱形状とした.この鍛造はよる変形は,近似的な平面ひずみ変形である.この鍛造加工における変形挙動と亀裂発生による加工の限界を調べ,この加工に適用可能な破壊規準についての知見を得ることを目的としている。 1. 凸面形状工具による自由鍛造では,初期の過程においては,鍛造工程の進行に伴い,工具・素材間の接触角度は増大するが,ある過程からは,減少が始まる.この遷移過程を境にして変形挙動の相違を実験,解析両面から考察した.スラブ法による解析から,板厚,工具半径に関するこの遷移過程の依存性が求められた. 2. 厳しい加工においては,板厚が最小となる中央部分で亀裂が発生し,製品としての価値を失う.この亀裂発生は,素材の変形特性,工具,板厚の幾何学的形状比に依存する.これについて詳細な実験観察を試みた.亀裂発生時期を的確に認知することは非常に困難であることが分かった.これについては,次年度にさらに検討することが必要である. 3. 亀裂は延性破壊によるものである.破壊規準に拡散規準と停留規準が考えられるが,本研究における変形機構では亀裂発生時に塑性解が多価でなければならないことから,拡散規準の適用が望ましい.破壊規準の適用には,亀裂発生場所における応力状態を知ることが必要である.手始めに,スラブ法による解析を行い,これを算出し,解析的な予測を試みたが,実験値との間に良い相関は得られなかった.次年度では応力解析の精度向上を,構成式,解析手法両面から検討する予定である.
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