1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650625
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
早乙女 康典 群馬大学, 工学部, 助教授 (90143198)
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Keywords | マイクロ加工 / 塑性加工 / 深絞り / 極薄板 / 箔 / 多結晶塑性 |
Research Abstract |
1.極薄板の専用引張試験機の試作と材料特性試験方法の確立 マイクロコンピュータ制御と,3台のCCDカメラを用いた画像処理により,引張ひずみ,塑性ひずみ比(r値)の非接触・インプロセス計測が可能である点に特徴がある.本装置を用いて,以下の加工実験に供する板厚50μmのスチール箔SPCE,SUS430材の引張諸特性を求めた. 2.板厚50μm以下の箔を対象としたマイクロ深絞り試験機の開発 マイクロ加工においては,例えば,ダイとポンチの位置合わせが問題となるため,従来の加工装置とは本格的に異なった構造を開発する必要がある.本装置では,ダイをX-Yテーブル上に設置し,CCDカメラを用いた画像処理より両工具の精密位置決めを可能にした. 3.試作マイクロ深絞り試験機による板厚50μmの箔材のマイクロ深絞り加工特性試験 スチール箔SPCE,SUS430材のマイクロ深絞り加工特性を調べた.限界絞り比,加工荷重に及ぼす板厚tと,相対的形状[Dp/t](Dp:ポンチ直径)因子の影響を調べた処,基本的には連続体力学に基づいた幾何学的相似則が成立することが明かとなった. 4.多結晶塑性変形による不均一ひずみと加工特性の評価 マイクロ成形において,加工寸法(ポンチ直径Dp)が小さくなると,相対的に結晶粒径Dgとの比Dp/Dgが大きくなる.走査電子顕微鏡により深絞りカップの形状精度を調べたところ,多結晶塑性変形による不均一ひずみの影響が認められた. 5.マイクロ成形加工設計手法の確立 極薄板のマイクロ成形では,塑性加工に伴う自由表面粗さを加工寸法精度の点から考慮する必要があり,また形状精度には結晶異方性を考慮した加工設計が必要であることが明らかとなった.以上のまとめとして,マイクロ成形加工の設計指針を与えた.
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