1993 Fiscal Year Annual Research Report
銅-鉛系合金のメカニカル・グラインディングによる構造変化および焼結特性
Project/Area Number |
04650630
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大橋 照男 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024263)
|
Keywords | 粉末冶金 / 銅-鉛合金 / 焼結 / メカニカル・アロイング / すべり軸受 |
Research Abstract |
すべり軸受け合金である銅-鉛合金の燒結組織および燒結特性に及ぼすメカニカルグラインデイング(MG)の影響について、熱膨張測定と組織観察によって検討を重ねてきた。即ち、燒結組織の微細化を目的として、従来の水アトマイズ合金粉を高エネルギーボールミルにより粉砕(MG)した銅-鉛合金粉体の燒結を試みた結果、鉛並びに銅粒子は大幅に微細分散され、かつ燒結速度、燒結に伴う収縮量なども同じく影響を受けることが判明した。また、燒結前のこれらMG粉体の構造についても調べた結果、粉体の粉砕による微細化は、約20時間のミリングで飽和し、結晶子サイズは10〜20nmまでに減少することがX線分析などにより明らかにされた。更に燒結にお伴う粒成長のための活性化エネルギーを求めたところ、MG処理により固相拡散のための活性化エネルギーに近づくことが明瞭に認められた。この点について更に検討するために、アトマイズ粉を種々のサイズに分級した粉体の燒結挙動を調べた。その結果、サイズの減少に伴い、膨張-収縮曲線の変化はMG粉体のそれに近ずくことが認められたが、粒成長測定から得られる活性化エネルギーはMG処理しない粉体とほぼ同程度であり、燒結を律速する機構にMG処理が影響を与えていることが示唆された。なお、この場合も粒成長は何れの粉体においても時間の1/3乗則に従って進む。また、MG処理粉体を一定の条件で予備燒結したあと燒結を行うと、MG無処理粉体の場合と同様の挙動を示し、MG処理の影響の存在を裏付ける結果が得られた。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T.OHASHI,K.Kusama,K.Itoh,Y.Tanaka: "Effect of Mechanical Grinding on The Liquid Phase Sintering of Ou-Pb Alloys" Proc.1993 Powder Metallurgy World Comgress.917-920 (1993)