1992 Fiscal Year Annual Research Report
常温・高温変形抵抗値を正確に推算する計算法の開発と加工シミュレーションへの適用
Project/Area Number |
04650633
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中西 賢二 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80041549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上谷 俊平 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40204622)
福井 泰好 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00117540)
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Keywords | 金属塑性加工 / 常温変形抵抗 / 高温変形抵抗 / 変形抵抗値推算 / 加工硬化率式 / 塑性加工シミュレーション / アルミニウム合金 / ステンレス鋼 |
Research Abstract |
金属塑性加工プロセスの最適化をはかる過程で、加工過程の力学解析あるいは加工シミュレーションの実施が必須となっている。本研究では、前記解析あるいはシミュレーションを実際の現象に忠実に行うために必要な、変形中にひずみ、ひずみ速度、および温度が複雑に変化する条件下の変形抵抗値を正確に推算できる変形抵抗推算法の開発を進めた。推算に用いる変形抵抗式は先に研究代表者が提案した加工硬化率式である。同式は基準加工硬化率項、相対動的回復率項、動的再結晶による軟化項で構成されていて、数個の材料因子を含む。本年度の研究では、アルミニウム及びAl-Mg-Si系アルミニウム合金(1100Al,6061Al合金,6063Al合金)、及びSUS304ステンレス鋼に適用する加工硬化率式の確立をはかった。はじめに各材料についてカム・プラスト・メータを用いた試験により、常温から0.9Tm(Tm:材料の融点K)の温度域で1〜50s^<-1>のひずみ速度域における単軸圧縮応力-ひずみ曲線データを得た。つぎに、加工硬化率式中の3個の材料因子,γ_s,γ_o,q,を決定する対話型半自動解析プログラムを開発し、同プログラムにより前記単軸圧縮応力-ひずみ曲線データを参照データとする数値解析を行い各材料因子の値を決定した。さらに材料因子、γ_sはひずみ速度依存関数として、γ_oは温度とひずみ速度依存関数として、qは温度依存関数として定式化できた。解析結果に基づいて、変形の初期温度、及び変形のひずみ温度変化を入力データとする変化抵抗値推算の計算プログラムを作成した。同プログラムにより、油圧駆動プレス機を用いた鍛圧試験による変動ひずみ速度下の応力-ひずみ曲線を正確に推算できることを確かめた。今後の研究では他の数種類の材料に対して本計算法の適用をはかるとともに本計算法を組み込んだ加工シミュレーションプログラムを開発する。また、加工組織と変形特性との対応を定量的に解析する予定である。
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Research Products
(2 results)