1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650663
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 好則 大阪大学, 工学部, 講師 (00116089)
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Keywords | GMA溶接 / 橋絡移行 / 電磁ピンチ力 / 水銀 / 毛管現象 / MAC法 / 数値解析 / 懸垂液滴 |
Research Abstract |
GMA溶接(ガスシールドメタルアーク溶接)の短絡移行様式では、アーク熱により電極ワイヤの端部が溶融し、これが母材溶融池と接触・短絡して溶融金属が移行する。本年度は、橋絡移行現象のメカニズムを明らかにするため、水銀を用いたモデル実験およびMAC法による数値解析を行なった。とくに橋絡移行過程における電磁ピンチ力の影響について検討した。以下に得られた結果を要約する。 1.懸垂液滴を液面に接触させると毛管現象によって流れが生じ、橋絡部を形成する。橋絡部形状の時間的変化は、通電の有無によって異なり、液滴の大きさや電流値、通電を開始するタイミングに支配される。 2.短絡電流を高くすると、電極端部の液滴がプールに接触してから、橋絡部が分離するまでの時間を短かくすることができる。また、液滴からプールに向かって移行する液体の質量は、通電の有無によらず、接触移行時間が長いときには大きくなる傾向を示す。 3.橋絡形状やくびれ径の計算値は、実験結果とよく一致した。数値計算結果から、液柱内の圧力分布は通電の有無によって異なり、移行過程での形状ならびに橋絡移行時間に影響を及ぼしていることが推察できた。 4.橋絡部外観形状が同じでも通電の有無によって、橋絡液柱内部および周辺の流れは異なった状態にあり、大きな短絡電流は液柱分離だけでなくプール表面の波動の駆動力にもなる。
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