1992 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールを結晶化溶媒とするセリア固溶正方晶ジルコニア粉末の合成とその特性評価
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04650690
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 次雄 東北大学, 工学部, 助教授 (90091694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥脇 昭嗣 東北大学, 工学部, 教授 (70005320)
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Keywords | セリア固溶正方晶ジルコニア / 超臨界アルコール / 結晶化 / 超臨界乾燥 / 凝集 / 焼結性 / 高強度セラミックス / 低温焼結 |
Research Abstract |
硝酸セリウム、オキシ硝酸ジルコニウムおよびアンモニアを出発原料として用い、共沈法により作成した非晶質のセリア固溶ジルコニアゲルを水、アルコールおよび空気中で熱処理し、ゲルの結晶化挙動について検討するとともに、結晶化により生成されたセリア固溶正方晶ジルコニアの特性評価を行い、以下のような知見を得た。 (1)非晶質セリア固溶ジルコニアゲルは空気中仮焼では420℃で結晶化したが、水やアルコールなどの溶媒中では200℃付近の低温で正方晶に結晶化した。 (2)アルコール中で結晶化したセリア固溶正方晶ジルコニアは、水熱結晶化あるいは空気中仮焼で結晶化したものと比較し、粉末の凝集が軟らかく、著しく焼結性が優れており、1100℃付近の低温で理論密度まで焼結可能であった。 (3)アルコール中で結晶化したセリア固溶正方晶ジルコニアは低温で緻密化するため、焼結体はサブミクロンの微粒子よりなり、高強度を示した。 (4)非晶質セリア固溶ジルコニアゲルを超臨界アルコール中で結晶化した後、超臨界乾燥を行うと、焼結性がさらに改善された。 (5)非晶質セリア固溶ジルコニアに酸化マンガンを添加すると焼結性が改善され、超臨界アルコール中で結晶化したものは、1000℃で理論密度まで緻密化でき、破壊強度も向上した。 (6)非晶質セリア固溶ジルコニアにアルミナゲルを混合し、同様の結晶化処理を行うと、粉末の焼結性は幾分低化したが、焼結体の破壊強度は向上した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T. Sato, K. Dosaka, A. Okuwaki, K. Torii and Y. Onodera: "Sintering of Ceria-Doped Tetragonal Zirconia Crystallized in Organic Solvents, Water and Air." Jouranal of American Ceramic Society. 75. 552-556 (1992)
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[Publications] T. Sato, K. Dosaka, M. Ishitsuka, E.M. Haga and A. Okuwaki: "Sintering Behavior of Ceria-Doped Tetragonal Zirconia Powders Crystallized and Dried Using Supercritical Alcohols" Journal of Alloyes and Compounds. (1993)