1993 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ケイ素における積層欠陥の生成・消滅過程とその制御
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04650692
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河本 邦仁 名古屋大学, 工学部, 教授 (30133094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 元善 名古屋大学, 工学部, 助手 (30242829)
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Keywords | Silicon carbide / Stacking fault / Grain growth / Surface diffusion / High-temperature / Reaction rate / Formation / Annihilation |
Research Abstract |
今年度はβ-SiCにおける積層欠陥の消滅現象を速度論的に解析し、すでに提案している消滅メカニズムの検証を行うことを中心に研究を進めた。まず、積層欠陥密度の時間変化を所定の各温度で追跡し、これをAvrami-Erofeevの速度式で解析したところ、拡散律速による変化過程であることが判明した。さらに、平均粒径の時間変化を同様に追跡したところ、高温における粒成長速度は表面拡散律速モデルに基づくNichols-Mullinsの粒成長速度式で極めて良く整理された。両者の速度過程の活性化エネルギーは良く一致することから、積層欠陥消滅が表面拡散に支配された粒成長に伴って起きる見かけの現象であるとする従来の我々の提案モデルを支持する結果と考えた。また、上記速度過程がAr、N_2雰囲気中で異なる速度を示し、活性化エネルギーも変化することから、高温でSiCへの窒素の固溶が原因となることを明らかにするとともに、その根拠について基礎科学的な問題を提起した。 その他、関連する問題として、籾殻灰から調整したβ-SiCの諸特性の検討、シリカの炭素還元によるβ-SiCの生成過程と積層欠陥の生成との関係について検討を行い、相当程度の成果を挙げることができた。
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[Publications] W.S.Seo: "Kinetics and Mechanism of Stacking Fault Annihilation and Grain Growth in Porous Ceramics of β-SiC" J.Mater.Res.18. 1644-1650 (1993)
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[Publications] S.Takeda: "Thermoelectric Properties of Porous β-SiC Fabricated from Rice Hull Ash" J.Ceram Soc.Japan. 101. 814-818 (1993)