1993 Fiscal Year Annual Research Report
高靭性複合セラミックスの微視的き裂進展のその場観察による局所破壊靭性の評価
Project/Area Number |
04650694
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 公一 東京工業大学, 工学部, 助手 (20191306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邊 靖博 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (70163607)
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Keywords | 複合セラミックス / き裂進展 / 破壊靭性 / その場観察 |
Research Abstract |
1.局所破壊靭性に関する理論解析の実験的検証 第2相介在物による弾性不均一性や残留熱応力がき裂進展開始時の破壊靭性に及ぼす影響について,前年度に理論解析を行った.そこで,本年度は多結晶ムライトにアルミナ粒子やジルコニア粒子を分散させた高靭性複合セラミックスを用いて,理論解析の妥当性を実験的に検証した. 2.ガラス及び多結晶セラミックスの局所破壊靭性の評価 局所破壊靭性の変動を評価するために,き裂進展過程での荷重緩和曲線を測定した.その結果,荷重緩和曲線から局所破壊靭性を求めるには,微視的き裂進展過程でのマルコフ性を考慮した解析が必要であることがわかった.そこで,粒径の異なる多結晶マグネシア及び多結晶アルミナの破壊靭性と粒内破面率の関係について検討することにより,粒内破壊靭性と粒界破壊靭性を定量的に評価することができた. 3.高靭性複合セラミックスの微視的き裂進展挙動のその場観察 多結晶マグネシア,多結晶アルミナ,C/Cコンポジットの微視的き裂進展挙動のその場観察を行った.その結果,微視的き裂進展過程にマルコフ性が存在することを世界に先駆けて見い出すことができた. 4.研究の総括 本研究を総括し,クラック・パス・コントロール概念に基づく材料設計手法を提案した.また,本研究に関連する研究代表者の研究成果を取りまとめ,博士論文(工学)を公表・出版(自費)した.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 安田公一: "MgO焼結体の破壊靭性に及ぼす粒径及び第2相の影響(第3報:CoO添加系)" Journal of the Ceramic Society of Japan. 101. 665-670 (1993)
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[Publications] 多々見純一: "ガラスおよびアルミナ多結晶体のき裂進展挙動のその場観察" 日本セラミックス協会 1993年会講演予稿集. 98-99 (1993)
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[Publications] 織田裕久: "介在物の熱弾性特性がムライトの破壊靭性に及ぼす影響" 日本複合材料学会1993年度研究発表講演会予稿集. 23-24 (1993)
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[Publications] Kouichi,YASUDA: "Influence of the crack path on the fracture toughness of polycrystalline MgO" The Third IUMRS International Conference on Advanced Materials. 6(印刷中). (1994)
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[Publications] 安田公一: "多結晶Al_2O_3の破壊靭性に及ぼすき裂進展経路の影響" Journal of the Ceramic Society of Japan. 101. 1384-1389 (1993)
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[Publications] 多々見純一: "多結晶Al_2O_3におけるき裂進展経路の変化に関する確率モデル" 第12回高温材料基礎討論会講演要旨集. 24-28 (1993)
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[Publications] 安田公一: "複合系セラミックスの破壊靭性に及ぼす微細組織の影響" 東京工業大学 博士論文(工学)[自費出版], 246 (1993)