1992 Fiscal Year Annual Research Report
フツ素含有グラフアイト化合物の合成、構造とリチウム電池への応用
Project/Area Number |
04650700
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 剛 京都大学, 工学部, 助教授 (50026233)
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Keywords | グラファイト層間化合物 / フッ素 / フッ化バナジウム / インターカレーション |
Research Abstract |
1.フッ化バナジウム-グラファイト層間化合物の合成と電気化学的挙動 天然黒鉛粉末を用いて、第2ステージのC_<22>VF_6〜C_<17>VF_6、第1ステージのC_<12>VF_6〜C_<10>VF_6を合成した。第2ステージ化合物は第1ステージの相を少量含んでおり、第1ステージの相は2つの異なった相から成っている。即ちVF_5と過剰のフッ素から成る相およびこの層とフッ素のみが挿入された層が交互に積み重ったbi-intercalation相から成ることがわかった。 これらの層間化合物の電気化学的還元をリチウムを負極としてプロピレンカーボネート中で行った。還元曲線には3つの還元ピークが見られ、-0.15V、-1.50Vの還元ピークはいずれの試料においても共通であるが、もう1つの還元ピークは+0.10Vから-0.9Vへの挿入物の濃度が低くなるにつれて低電位側に現れた。またフッ素のみが挿入されたCxFの還元を同様に行ったところ、フッ素濃度が低い試料ほど還元ピークが低電位側に現れた。フッ化バナジウムの中で安定な化合物はVF_5とVF_3であり、VF_3の還元ピークは-1.3Vに観察された。3つの還元ピークはVF_5およびフッ素が同時または連続的に還元された結果と考えられる。 2.液体フッ化水素とルイス酸を用いる高フッ素濃度CxFの合成 無水液体HFに少量のM_0F_6を加え、天然黒鉛粉末を用いて第1ステージのC_<2.0>F〜C_<2.4>Fを合成した。グラファイト格子の格子定数は2.467〜2.473A^^゚で元のグラファイトの値より大きく、XPS測定によるC_<1S>結合エネルギーは284.6eV、288.0eV、F_<1S>結合エネルギーは687.1eVであり、C-F共有結合の生成が観察された。またIRスペクトルにも1100cm^<-1>に大きな吸収が現れ、C-F共有結合の生成が確認された。
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[Publications] T.Nakajima: "Surface Free Energy and Chemical Bording of Fluorine-Graphite Intercalation Compounds" J.Fluorine Chem.57. 83-91 (1992)
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[Publications] T.Nakajima: "Synthesis,Structure and Application of Fluorine-Graphite Intercalation Compounds" 炭素. 155. 393-397 (1992)
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[Publications] N.Ikemiya: "Surfae Structure of Fluorine-Graphite Intercalation Compounds obserred by Atomic Force Microscopy" Surface Science. 274. 524-528 (1992)
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[Publications] T.Nakajima: "Synthesis,Structure and Electrical Conductivity of Vanadium Oxide Fluride-Graphite Intercalation Compound" Eur.J.Solid State Inorg.Chem.29. 919-928 (1992)
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[Publications] R.Yazami: "A New GIC with Titanium Oxide Fluoride:Preparation and Electron Microscope Analysis" Material Science Forum. 91-93. 29-34 (1992)
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[Publications] K.Amine: "Optical and Transport Properties of New Transition Metal Fluoride/Graphite Intercalation Compounds" J.Fluorine Chem.57. 35-43 (1992)